2020年11月15日

黒木泰等展、開催中です

(すでに完売した作品もあります。在庫状況はお電話かメールでお問い合わせください)

11月7日にスタートした黒木泰等さんの個展、およそ3年ぶりの開催となります。
「待っていたんです!」「一目惚れしました」といったお声を聞きながら、作家さんとお客様をつなぐことのうれしさを噛みしめる日々です。

いつもながらの繊細なフォルムは健在、そして、使いやすさは以前より増したように思います。まずは今回の人気の作品から。

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白釉シリーズ。潔い白でありながら、この色気と柔らかさが出せるのは黒木さんだけかもしれません。(スタッフもじっくり見る間がないほど早々に売り切れてしまったものもあり、ご迷惑をおかけしております)

どんな角度から見ても美人さんなのに、相手(料理)を選ばない白。取り澄ましていないところが魅力。これらの白釉作品を見ていると、ここ数年、黒木さんがいかに白と真剣に向き合ってきたことが分かります。

もちろん、黒木さんならではの織部や黒釉も健在です。まずは花器から。
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オンラインショップにも掲載中の織部の花生2点。このやわらかなフォルム、思わず触れたくなります。


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こちらは窯変の花生。もちろん和花にも合いますが、グレーがかったクレマチスシードと合わせるとこんなモダンな風情に。

食卓のうつわは店頭に並べきれないほどの数が届きましたが、あっという間に少なくなってきました。定番も含め、少しだけご紹介を。
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鉄黒釉高坏豆鉢。足つきの器があると、テーブルがぐっと引き締まります。クリスマスやお正月にも活躍しそうです。

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ごちそうでなくてもおいしそうに見えること確実の黒釉プレート。

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変わらぬ美しさ、そして日々進化しています。黒木さんならではの織部。


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もちろん、一点ものの酒器や茶器も。

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薄手の飲み口がうれしいロックカップ。グラスで飲むお酒とは一味違います。氷を入れたときのからりんという音がなんとも心地よく。

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黒木泰等展は11月17日(火)まで。この機会にぜひお立ち寄りください。

【黒木泰等展】 
11月7日(土)〜11月17日(火)
(最終日は17時閉店となります)



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2020年10月16日

田中俊介・大胡琴美・山口友一 三人展

(すでに完売した作品もあります。在庫状況はお電話かメールでお問い合わせください)

10月10日にスタートした三人展、店内はまさに秋色です。しっとりと深みのある空間になっているのは、おそらく三人の作品にさまざまな共通点があるからなのだと思います。

例えば、「かたさ」「やわらかさ」の解釈。あるいは、「古いもの」「新しいもの」のとらえかた。

もちろん、作風は全く異なりますし、素材も田中さんは金属、大胡さんと山口さんは土です。作っている場所もそれぞれ、一見つながりのなさそうな3人ですが、並べてみると2倍にも3倍にも魅力が増すような気がするのです。

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いみじくも田中俊介さんがこんなことをおっしゃっていました。「金属はなんとなく冷たくて硬いイメージを持っている人が多いと思うのですが、やわらかい形やあったかい質感も醸し出すことができる、とてもおもしろい素材なんです」。

確かに田中さんが作り出す形には、土や木に通じるあたたかさがあるような気がします。例えば今回の新作である、たんぞうスプーン&フォーク。この「たんぞう=鍛造」という製法は、真鍮の丸棒を真っ赤になるまで焼き、冷めないうちにたたいて加工するのだそう。平たい真鍮の板を加工するのとはまた違った雰囲気の作品となっています。

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たんぞうスプーンとフォークはそれぞれ大・中・小とあります。持ち手の部分は、葉っぱや魚の尾びれのような有機的なイメージで作っているのだそうです。使い込むとまたさらによい風合いになっていきます。


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こちらも新作、その名もフルムーントレー。写真はφ34cmの大きさですが、他に28cm、22cmがあります。ていねいに仕上げられた“月面”に、秋のお野菜を少しずつ。


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田中さんは、食器ばかりでなく調理器具もお得意。いつも入荷したとたんに出ていってしまうふたば鍋も入荷、ミニサイズも登場しています。


銅の湯わかし。ふたば鍋と同じく内側は錫で加工してあります。銅鍋の熱伝導率+手入れのしやすさ、そしてこのかわいらしさ!!朝、コーヒーを入れるときにこんな道具を使ったら、それだけで1日気持ちよく過ごせそうです。

田中さんが金属の魅力に気づいたのは、なんと高校生のときだそう。美術の道を志して油絵を専攻、そんな中で出合った金工の授業で金属のおもしろさに目覚めたといいます。「硬い金属がたたかれて形が変わるのはおもしろいものだなあと。そして、すぐには変化せず、時間をかけて少しずつ変わっていくあたり、自分の性分に合っていると思いました」。以来、素材と対話しながら製作を続ける田中さん。金属を身近に感じて欲しいと、食器や調理道具などの身近なものを作り続けています。


続いて、大胡琴美さんと山口友一さんの器にもご登場いただきましょう。
まずは、陶房を松本から千葉に移した大胡さんの作品から。

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大胡さんのブロンズ釉シリーズは、釉薬にマンガンを使っています。今回、こんなキュートな一輪挿しをたくさん作ってくださいました。

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こちらは、安定の片口。

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内側は透明釉。外側の釉薬の金属成分が流れ込んで反応し、乳白色の部分ににじむように黄色や緑が広がっていきます。これがなんとも美しく、あたたかい表情を生み出します。

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コーヒーカップ&ソーサー。内側は少しずつ貫入が入り、いい具合に育っていきます。田中さんの真鍮とも相性ぴったり。

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こちらは焼締めの茶器。まるで秋の夜空のよう。吸い込まれそうな美しさです。


続いて、山口友一さんの作品です。
熊本県の小代山麓で400年も前から焼き続けられている小代焼。窯元の長男として生まれた山口さんは、お父様から引き継いだ伝統的な手法に、現代的なフォルムを掛け合わせて独自の作風を生み出しています。

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伝統的な青小代釉にマット感のあるリムが印象的。どんなお料理でも受け止めてくれそうな青小代釉プレートです。大きさは9寸と7寸の2種類。


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こちらは、つぶ化粧緑釉の急須。素地に顔料で色をつけ、その上に白化粧を施すことで流れるような模様が現れます。


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南米の古いものが好きとおっしゃる山口さん。こちらの白線文様黒釉盆皿の大胆な刷毛目は、もしかするとそんなところからの発想なのかもしれません。一見使いこなしが難しそうに見えますが、じつは盛り映えのする使いやすい器です。

田中さん、大胡さん、山口さんの作品を駆け足にご紹介しましたが、店頭ではまだまだたくさんの作品をご覧いただけます。また、オンラインショップでも一部の作品を取り扱っていますので、遠方のかたはぜひこちらをご利用ください。

【田中俊介・大胡琴美・山口友一 三人展】
10月10日(土)〜10月20日(火)

posted by marukaku at 22:43| 東京 ☁| Comment(0) | 展覧会風景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月08日

小林徹也展、スタートしました

(すでに完売した作品もあります。在庫状況はお電話かメールでお問い合わせください)

暑い夏なら、彩白陶と黒錆の組み合わせ。丈夫な丸鉢は忙しい朝の食卓に。ほっこり温まりたい季節には、お料理が冷めにくい粉引の石皿・・・。なんだかんだと1年を通して出番が多いのが、小林徹也さんの器です。

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8月6日にスタートした「小林徹也展」。店頭で作品を手に取ってくださるお客さまもやはり同じ思いを抱かれるようで、「どんなお料理も映えそう」「毎日暑いけど、この器を見ていたら台所に立ちたくなった」などなど、うれしい感想をいただいています。

小林徹也さんの定番といえば、やはり粉引。今回の個展では新たに「黄粉引」シリーズも加わりました。

粉引の石皿。一点一点表情が異なるのが魅力。
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新作の黄粉引。やわらかな色合いが夏の日差しを浴びると涼しげに。そして冬はほっこりとした温かみを感じるはず。
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そしてこちらも今回初のお目見えです。光の当たり具合によって、ときにクールに、ときににぎやかな表情を見せてくれる錆釉。プレート類もよいのですが、花器がまた素敵。生けやすい大きさ、ころんと丸みを帯びたフォルムにぐっときてしまいます。
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こちらは、彩白陶という涼しげな名前のついた器です。同じ釉薬を使い、還元と酸化という焼成の違いで色を引き出しています。粉引とは違って化粧土は用いず、釉薬だけの仕上げです。写真ではなかなかこの質感をお伝えするのは難しいのですが、粉引とはまた違った清々しさを感じます。
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じつは小林さん、以前写真のレタッチのお仕事をされていたのだそう。このお話をうかがい、なるほど!と思いました。そのときの経験が色へのこだわりにつながっているに違いありません。

粉引(左)と彩白陶(右)を並べてみました。質感や風合い、発色の微妙な違い。見れば見るほど楽しくなってきます。うつわ好きにはたまらない作品ばかり、結局「どれも欲しい!」となってしまうのですが。
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「土、化粧土、釉薬、そして焼成。焼き物の工程を細かく区切って探り、自分なりに解像度を上げていくことで、出したい色に近づきたい」とおっしゃる小林さん。その「解像度」の高さを、ぜひお手にとって見ていただけたらと思います。

もちろん、色や質感だけではありません。シンプルで普遍的でありながら「あたりまえ」ではない何かを感じる形がそこにあります。「どうやったら思うような色や質感が出せるか、そのあたりにこだわってやってきましたが、今はむしろ料理との調和を考えて作っています。クラシックとモダン、和と洋。それらの中間領域を探りながら、自分なりの器が作っていけたら」(小林さん)。今後の展開がまた楽しみでなりません。
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こちらは、オンラインショップにも掲載中の貫入花器。一点ものです。
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豆石皿は人気の作品。すでに品薄となってしまいましたが、今後もまるかくでお取り扱いの予定です。
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現在の状況をかんがみて、最初の5日間は予約制とさせていただいていますが、8月11日(日)からは通常営業に戻ります。
今回かなりの種類と点数がありますので、店頭ではまだたくさんの作品をご覧いただけます。ご無理のない範囲で、お時間のあるときにふらりと立ち寄っていただければ幸いです。また、だいぶ品薄となりましたが、オンラインショップでも一部お取り扱いがございますので、遠方のかたはどうぞご利用ください。


【小林徹也展】
8月6日(木)〜8月18日(火)

プロフィール
大阪府出身     関西大学法学部卒業
2012年   愛知県立窯業高等技術専門修了
2012年〜  愛知県瀬戸市にて作陶
posted by marukaku at 15:03| 東京 ☀| Comment(0) | うつわ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月14日

三浦侑子さんのガラス

本日より、木工作家・斗沢誠さんとガラス作家・三浦侑子さんのオンライン二人展が始まりました。

会期:2020年5月14日(木)〜6月2日(火)

(三浦さんの作品はたいへんな人気で、スタート時から品切れが続出しております。現在追加で製作をお願いしていますので、納品日程が決まりましたらInstagramにてご案内いたします。なお、「ワイングラス角」「ワイングラス丸」「テイスティンググラス」「モール台付グラスM」「モール台付グラスS」「ベルグラス」は21日11時より販売スタートの予定です)


さて、昨日の斗沢誠さんのご紹介に続き、今日は三浦侑子さんの作品をご紹介していきましょう。
まずは、とても使い勝手のよいリム皿、楕円皿から。

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こちらは直径20cmほどのリム皿M。三浦さんのお皿はその美しさだけでなく使い勝手のよさにも驚かされます。ほどよい深さと角度が絶妙で、スプーンやフォークをあててすくうのがとても楽なのです。お料理を美しく食べ切ることができるお皿、最高です(洗う身としても!)。
リム皿は、M(φ20cm)L(φ24cm)9寸(φ27cm)があります。

続いて、楕円皿。
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21cm×24cmの楕円皿M、どんなお料理にもオールマイティに使えます。プロのお料理をテイクアウトする機会も多いこの時期、いつもの器をガラスに変えるだけで気分は初夏!斗沢誠さんのとも相性よし。ガラスなのにどこか温かみがあって、ナチュラルな木の素材がしっくりと合います。

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楕円皿、ひっくり返すとこんな感じ。リム皿と同様の「絶妙な角度と深さ」、分かっていただけるでしょうか。

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こちらは、モールボールS。こごみのお浸しもガラスの器に盛ると新鮮。
三浦さんの器を使うと、なんだか心地よすぎて日が高いうちから一杯飲みたくなってきます。


そんなときは、こちら。

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このかわいらしい形!小ぶりなので、このくらいなら昼間のアルコールもOK、ですね。


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水でもワインでも。ベランダの鉢植えハーブと旬の柑橘類を合わせてデトックスウォーターというのもよいなあ・・と、スタッフ妄想中。

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縦横に針が並んだ型で編目模様を付けた美しいグラス。
写真ではなかなかお伝えしづらいのですが、日差しを浴びるとこんな感じに。

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ところで、家でお酒を飲む場合、片づけが面倒でよいグラスは使わなくなってしまった・・という方もいらっしゃるかと思います。そういう意味でも三浦さんのグラスは秀逸です。
まず、バランスのよさ。うっかり倒してしまう心配がいりません。洗うときもしっかりと握ることができるので、ほろ酔いで洗っている最中に・・なんてことも避けられそうです。

それもそのはず。18世紀のヨーロッパ、まだグラスは機械生産されておらず、すべてが吹きガラスで作られていたころ。大衆食堂では、華奢すぎず、耐久性のあるグラスが好まれていました。そんな「ビストログラス」が、三浦さんのお手本なのだそうです。

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ワインはもちろんですが、アルコール度ちょっと高めのビールなどにもよさそう。

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定番にしていちばん人気。家族でごはんを食べながら、あるいは、仕事終わりのひとり飲み。どちらにもよさそうです。

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どのグラスにもいえることですが、丸みを帯びたふちが唇に当たる感触のなんと心地の良いこと!家でくつろぐときには飲み口の薄いグラスは不似合い・・とさえ思います。

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大きさと形の国際規格があるテイスティンググラスはマシンメイドのものがほとんどで、手吹きは珍しいのではないでしょうか。三浦さんによると「だんだんと自分の好みのフォルムになっているかも?」とのことですが、家でのテイスティングなら問題なし。こんなグラスがひとつあるだけで、なんだか楽しい夜になりそうです。

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もうひとつ、とてもキュートな作品を。

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この小さなお皿の使い道、なんだと思いますか?
「ちょっと席を立つとき、グラスの上に」(三浦さん)。
なるほど!

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ハットボウルと組み合わせてこんな使い方も。

今回作っていただいた作品は、すべてうっすらと色が入った「スモーク」シリーズとなります。クラシカルで温かい雰囲気をお楽しみください。

会期:2020年5月14日(木)〜6月2日(火)

※「ワイングラス角」「ワイングラス丸」「テイスティンググラス」「モール台付グラスM」「モール台付グラスS」「ベルグラス」は21日(木)11時より販売スタートの予定です。
posted by marukaku at 11:41| 東京 ☀| Comment(0) | 展覧会風景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月12日

斗沢誠さんと三浦侑子さんのオンライン作品展が始まります(5/14〜6/2)

新緑のまぶしい季節となりました。
この季節に向けて準備を進めてきた、木工作家・斗沢誠さんと、ガラス作家・三浦侑子さんの二人展。神泉の実店舗でお客様とのおしゃべりを楽しみながら、おふたりの作品をご紹介することを楽しみにしておりましたが、現在の状況下ではかなわず、オンラインショップ限定での開催とさせていただくことになりました。

会期:2020年5月14日(木)〜6月2日(火)
※14日(木)11時より展示・販売をスタートします。

作品を直接見ていただけないのがもどかしい限りですが、少しでもリアルにお伝えできるよう、スタッフが感じた作品の魅力をブログやInstagramでお伝えしていきたいと思います。今日は斗沢誠さんの作品をご紹介しましょう。

まずご紹介したいのが、ナラの古材を活かした角盆です。

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古材特有の亀裂や虫食いの穴。使いづらさがないといえば嘘になります。斗沢さんご自身も、それをよしとするまではずいぶんと時間を費やしたのだそう。しかし、「自然そのものを生かすことによって生まれる存在感は、人工的には再現できない」と気づいた日から、好んで古材を使い、木という天然の資源を可能な限り有効に使い切りたいと考えるようになったといいます。

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割れは丈夫な山葡萄のつるを使って補修。黒色は鉄媒染によるものです。亜麻仁油を主成分としたオイルを浸透させて下地を作り、さらにウェットサンディングという手のかかる方法で仕上げています。そのため、長く使ってもほとんどお手入れいらずですが、表面が白っぽくなったり、ざらつきを感じたときには、必要に応じて軽くやすりをかけオイルを再塗布するとよいとのこと。オイルは乾性油と呼ばれる木材の手入れ用のものがベストですが、手に入らなければ食用のオリーブオイルを代用しても大丈夫だそうです。


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こちらはナラの色をそのまま活かし、最後にウレタンで加工した一点。刷毛塗りによるていねいな仕上げで、見た目も肌合いもオイルフィニッシュと変わりません。なお、すべての古材は衛生面を考えて80℃の高温で1週間、人工的に乾燥させているそうです。

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斗沢さんが暮らす北海道の広尾町は、今も杣夫(そまふ)と呼ばれる人々が山林を守っています。10月の新月に木を切り倒し、そのまましばらく寝かせ、雪がまだあるうちに運び、夏場に加工をするのだそうです。寒い時期の伐採はたいへんですが、そのかわり菌が繁殖しにくく、割れや変形が少ない良質な木材ができるといいます。しかし、それだけ手間をかけた木材は非常に高価です。ふだんの生活に使う木製品をできるだけ価格を抑えて作りたいと考えた結果、斗沢さんは風で倒された天然木(風倒木)を用いることを思いついたといいます。沼地のような柔らかな地面に倒れた木であれば傷みも少なく、食器や盆に蘇らせることは十分に可能、と考えることができたのは、木を知り尽くした斗沢さんならではといえるでしょう。

そこから生み出された器は、「一刀彫」というとても手のかかる手法で作られています。

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ニレの風倒木をていねいに一刀彫で仕上げたボウルは、天然木ならではの美しい木目。ウレタンによる完全防水がほどこされています。

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センの木の作品はナチュラルな色を活かして。ずっしりとした重さが心地よいボウルです。


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よちよちと歩き出しそうな四つ足に思わずほっこり。タモ材の作品です。


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クルミに鉄媒染を施したボウルはシャープな雰囲気。

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ウレタン加工もいろいろで、斗沢さんの木製品の仕上げはとてもていねい。肌合いだけではウレタンがかかっていることはまったくといっていいほど分かりませんが、水をかけてもこの通り、ちゃんとはじいてくれます。お盆の場合、これがどれだけ助かることか!ぬれたふきんやグラスをちょっと置いても、染みになる心配もありません。とはいえ、素材は木ですので、長時間濡らしっぱなしにするのは厳禁です。



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展示・販売は、明日5月14日(木)11時スタートです。どうぞゆっくりご覧ください。
明日は三浦侑子さんのガラス作品をご紹介します。


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会期:2020年5月14日(木)〜6月2日(火)

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