2021年12月07日

小林徹也・平野日奈子 二人展

(すでに完売した作品もあります。在庫状況はお電話かメールでお問い合わせください)

今年最後の作品展は、満を持して小林徹也さんと平野日奈子さんの登場です。
では、さっそくおふたりの今回の作品をご紹介していきましょう。

小林徹也さん、今年はまたさらに釉薬の幅が広がり、どれもはっとするような美しさです。

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ワイドリム皿。左は粉引、右は彩白陶。

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こちらの彩白陶、近づいて見ると美しい貫入が。


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使いやすそうなリム鉢。左は錆釉、右は焼き締めです。奥にちらっと見えているのは黒釉。

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小林さんの釉薬の世界は広く深く、探求心はとても科学的。そこに自然がもたらす偶然も加わって、さらに深みのある風合いに。
こちらの浅鉢はすべて粉引ですが、それぞれの発色がどれも個性的で美しいのです。

さらに、ひっくり返してみると・・・

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これまたうっとり!です。

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焼締めの鉢も、ひとつひとつに「顔」があり。見ているだけでも飽きないのですが、使ってみるとさらにその魅力が倍増します。形がシンプルなので、どんなお料理にも使いやすいところも人気の秘密。

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そば猪口や湯のみもたくさん焼いてくださいました。

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少数精鋭の花器がまたよいのです。

小林さんの工房、来年は新しい窯も加わり、また異なる風合いの釉薬も試していきたいとのこと。これからの作品もますます楽しみです。


釉薬といえば、平野日奈子さんもまたとんでもない探求心の持ち主です。コバルト、オレンジ、黄色の釉薬を自在に操り、なんともいえない独特な表情を生み出します。

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部屋を選ばない花器。存在感がありながら、ときにしっとり、ときに華やかな空間を生み出してくれます。

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定番にして鉄板のマグカップ。持ちやすく、コーヒーの香りが立つのに冷めづらい造形。

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人気のオーバル皿。

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ピッチャーや花器など、大きな作品もたくさん届きました。

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思わず、かわいい!と声をあげてしまう小さな花器。少しずつ形が違います。

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カクミニ鉢。小さいけれど機能的、たとえ残り物のお惣菜でもこんな器にちょこんとのせたら、ごちそうに見えるろと間違いなし。

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初お目見えの輪花ボウル。

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蓋物もまた素敵です。

【小林徹也×平野日奈子 二人展】
2021/12/4(土)~14(火) 
※最終日は18時閉店とさせていただきます。

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2021年、計10回の作品展を開催することができ、スタッフ一同、お客さまをお迎えできるうれしさと喜びを味わっています。
せわしない師走のさなかですが、今年最後の作品展、よろしければお立ち寄りください。
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2021年11月13日

吉野敬子個展

(すでに完売した作品もあります。在庫状況はお電話かメールでお問い合わせください)

11月6日からスタートした櫨の谷窯・吉野敬子さんの個展。初日と2日目の作家さん在廊時には本当にたくさんの方が訪ねてきてくださいました。吉野さんとの再会を喜ぶお客さまも多く、私たちも幸せな気分に。初めての方も、吉野さんと話をされている間に、作品はもちろん、そのお人柄にどんどん魅了されていくのが分かります。

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吉野さんは、もともと唐津藩であった小さな谷間「櫨の谷」で、ご自身で採取した土や釉薬、鉄絵の材料を使い、唐津ならではの焼き物を作り続けています。

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こちらの写真は、2018年の春に櫨の谷窯におじゃましたときのもの。葦ぶき屋根の母屋、そして土を砕く唐臼の心地よい響き。敷地内では山羊が草を食む、そんな日本の原風景がそこにありました。

吉野さんの生活はとても「自然」です。といっても、なかなか現代では手に入らない自然。作陶生活の合間にはちみつ作りから山羊の世話、併設のカフェのお手伝いまで、ありとあらゆることを手がけているとおっしゃいます。お話を聞いていると、寝る間もないのでは?という忙しさですが、もしかして私たちの祖先の生活はこうだったのかもしれない、とも思える暮らしぶりでもあります。吉野さんの器の中には、そんな唐津の生活がぎゅっとつまっていそうな気がします。

お父様とともに、砂岩を原料とした古唐津を復元させた吉野さん。唐津焼の原点をみつめつつも、生活の中から生み出される吉野さんの「現在」が詰まった作品をご紹介しましょう。

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斑唐津の炊き合わせ鉢。じっと見ていると、なぜか台所にこもってことことと煮炊きしたくなってきます。器はお料理を盛るものだという、ごく当たり前のことを思い出させてくれる器です。

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斑唐津の片口手塩皿。

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どこかアジアな風情を感じる彫青唐津。

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朝鮮唐津。掛け分けられた釉薬が溶けあい、なんともいえない深い味わいを醸し出します。

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花入れもたくさん作ってくださいました。茶花はもちろん、どんなタイプの花も受け止めてくれそうなものばかり。

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店頭の作品展は11月16日まで。その後準備ができ次第、オンラインショップでもご紹介します。

2021年11月6日(土)〜11月16日(火)
※最終日の11/16(火)は18時閉店とさせていただきます。

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2021年10月20日

荒賀文成・蝶野秀紀 二人展

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10月16日からスタートした、荒賀文成さんと蝶野秀紀さんの二人展。今回はおふたりの在廊も叶い、お客様が作家さんにあれこれ質問しながらお買い物を楽しむ様子に、しみじみ幸せを感じています。

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まるかくにも長年のファンが多い、荒賀さんの粉引。一段とたおやかさが増したフォルム、進化し続ける釉薬。定番の馬たらい鉢は、どこで出合ったとしても、ひと目で荒賀さんの作品と分かります。それほど個性的。

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デザートコンポートとパフェコンポート。色っぽすぎてなんだかどぎまぎしてしまいます。

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ビアピルスナー、黒釉と粉引。ビールの種類や季節に合わせて選ぶのも楽しそうです。もちろん、温かいお茶やコーヒーにも。

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数は少ないながら人気の花生やポットもあれこれ届いています。

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こちらは新作のヒビ粉引陶板。家庭でも使いやすそうなサイズ感も魅力です。


さて、こちらは蝶野秀紀さんの作品、栃すり漆鉢。いろいろなサイズ、深さがあります。
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一般的な漆器は、木地師が作った器に塗師が漆をかけるという分業制で作られることが多いのですが、蝶野さんは材料探しから木地作り、漆がけまですべておひとりで手がけています。そのため「この風合いは好きだけど、大きさが・・」などと悩まなくても大丈夫。時間はかかりますが、お客様のリクエストに沿ったサイズで制作することも可能だそうです。気になる方は、スタッフにお声がけください。

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お椀も、他では見かけないフォルムです。拭き漆なので、あつあつのおすましもOK。毎日使ってもへたることがないのが最大の魅力です。10年、20年と使い続けてリペアが必要になったときにも、基本的には無償で応じてくださるそう。まさに一生使い続けられる器といえそうです。

和紙貼すみきり盆、栃の刷毛目やミズメの三島風の鉢や皿など、どれも蝶野さんらしい作品ばかり。この機会にぜひ店頭で手に取っていただけたらと思います。
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店頭の作品展は10月26日まで、その後準備ができ次第、オンラインショップでもご紹介します。

【荒賀文成×蝶野秀紀 二人展】
2021年10月16日(土)〜10月26日(火)
※最終日の10/26(火)は18時閉店とさせていただきます。
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2021年09月25日

関口憲孝・近藤亮介 二人展

まるかくの作品展に初登場、プロの料理人がこよなく愛する新進気鋭のおふたりをご紹介しましょう。

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関口憲孝さんは岩手のご出身。九谷の陶工所で陶芸を学んだころから、心は焼き締め一直線。中村久一氏に師事したのちに九谷を離れ、修業を積み重ねるも、心の中にある理想の焼き締めと、自分の手が作り出す焼き締めのギャップに悩み、「向かないのかもしれない」と悩む時期があったそうです。土や釉薬をとことん試し、ときには磁器を手がけてみたり。そんな寄り道や迷い道を経て、ようやく自分でも満足のいく風合いが出せるようになったといいます。

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 土もの好きにはたまらない、この「かさっ」とした感じ。軽やかなフォルムとのバランスが関口さんならでは。今回、大きめの器が比較的多いのですが、比較的薄手で軽く、重ねても厚みが出ないものが多いため、収納に困ることもありません。


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内側はしっかりと釉薬がかかっている掛け分けシリーズも。タイのセラドン焼を彷彿とさせる大きめの角鉢は、アジア料理も似合いそうです。


一方の近藤亮介さんも、根っからの土の人。京都の窯業訓練校を卒業後、陶芸家の藤田登太郎氏の作品に惚れ込み、“弟子をとらない”師匠のもとで、来る日も来る日も茶碗を作る日々を送ります。「決して一から技術を教わるわけではなく、でも、それ以上に大切なことはすべてここで教わった」という近藤さん。たどり着いた先は、自作の直炎式登り窯、そして今の作品の中心となっている陽刻です。

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今回の展示会では、陽刻以外にも薪窯ならではのこんな作品も登場しています。

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関口さんと近藤さん、火と土の解釈や表現は異なりますが、とても使いやすく、お料理映えするという点では完全一致。食器棚を整理してでもまとめ買いしたくなる器ばかりです。店頭の作品展は9月28日まで、その後準備ができ次第、オンラインショップでもご紹介していく予定です。


【関口憲孝×近藤亮介 二人展】

2021年9月18日(土)〜9月28日(火)

※最終日の9/28(火)は18時閉店とさせていただきます。



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2021年08月25日

中村真紀展、開催中です(8/21〜8/31)

空を見上げるとうろこ雲。秋の気配・・と思いきや、まだまだ蒸し暑い日が続く東京です。
まるかく店頭では、8月21日からガラス作家の中村真紀さんの個展が始まっています。この季節はもちろん、しっとりとした秋の食卓にも似合いそうなガラス作品が揃いました。さっそくご紹介しましょう。

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中村さんの酒器。いろいろなタイプがあります。見ているだけではおさまらず、ひょいと持ち上げて口に運びたくなるような、そんな形です。重くもなく軽すぎもせず、どんな手にもしっくりおさまるような気がします。

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転がしてみると、こんなお顔。大人な色合いがとても素敵です。

こんなお猪口を作る方は、きっとおいしいお酒を知っているのだろうなあ・・と、中村さんに尋ねてみると「そうですね、昔はよく飲んでいましたね。今はおいしいお料理とおいしいお酒が少しあれば、という感じですが。猪口は香りが立つ形を意識して作っています」とのこと。日本酒がお好きとのことで、ワイングラスを作るご予定はないそうですが、今回は、少し前にまるかくで開催した「たっぷり飲める展」のためにゴブレットも作ってくださっています(Instagramをご覧ください)。

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注器も充実しています。こちらの手付き注器、水切れは抜群、そして持ちやすく注ぎやすい形。約1合入ります。

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こんなシンプルな形もよいもの。お酒はもちろんのこと、ハーブティーなど楽しむのにもよさそうです。
ただし、ガラスは温度差に弱いので、熱いお湯は厳禁です。50〜60度くらいまで冷ませば大丈夫。また、急冷もしないほうがよいそうです。冷凍庫はNG、取っ手やつまみなどが付いたものは、冷蔵庫にも入れないでください(この片口やお皿など、シンプルな形のものなら冷蔵庫に入れても大丈夫です)。

さて、この辺で中村さんの作品の特徴でもある、美しき気泡と「底」をお見せしましょう。

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こちらの気泡の持ち主は・・

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楕円皿。「水面の月」と名付けられています。


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にぎやかな気泡。

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上から撮るとこんな感じ。涼やかな気泡に縁の金箔が気品を添えます。実に使いやすそうな小鉢です。

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このたおやかなフォルムの向付をひっくり返すと・・

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きりりとした底部が現れます。中村さんが「底へのこだわりがあって、仕上げにふつうの倍くらいの時間をかけてしまうんですよね」とおっしゃるのも分かります。逆さにしておきたいくらい美しい底、なかなかお目にかかれるものではありません。逆さになってしまいましたが、銘のMが入っているのも分かるでしょうか。そして気泡。裏から見てもやはり美しい。うっとり、です。

中村さんのモノづくりの原動力は「食べること」だといいます。「作った料理をのせたいから器を作っているようなところがあります。器単体でももちろん美しいほうがよいと思いますが、基本的に器は料理を盛って初めて完成するもの。サイズも、何寸とか何センチといった規格にとらわれず、盛りつけたときの余白をイメージしながら作っています」。

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こちらはDMでもご紹介した楕円皿の「星河」。天の川をイメージした気泡が入り、そのままでも十分に美しいのですが、お料理を盛ってみるとその魅力が倍増するのが分かります。この皿を用意した瞬間、料理気分にスイッチが入りそうです。

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食器だけではなく、こんなかわいらしい花器も。

かなりの点数が入荷していますので、店頭でぜひお手にとっていただければ幸いです。
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2021年8月21日(土)〜8月31日(火)


posted by marukaku at 19:24| 東京 ☁| Comment(0) | 展覧会風景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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