
春はたけのこ、あさりにかつお
夏は若あゆ、枝豆、すいか
秋はさんまに柿、くり、れんこん
冬はだいこん、かに、ぶり、あんこう
器もめでて、うまい、うまい
織部の作家
安達和治(あだちかずはる)さんの
陶歴に載っている文句です
粋ですねぇ
竹を模した片口は
形といい
発想といい
持ち具合といい
釉の掛かり具合といい
おすすめの一品です

安達さんの徳利には織部釉(おりべゆう)の特徴が
上手い具合に活かされています
上の写真、よくよく見ると三角形に3箇所
ぎざぎざの跡があります
これは赤貝で目立てをした跡だそうです
織部釉はとろとろと流れやすい釉薬(ゆうやく)のため
作品をまっすぐに立てて焼成すると釉が下に流れ
面白みに欠けてしまう
安達さんはその流れる釉薬の特徴を活かし
うつわの表側に釉が流れるよう
赤貝を3箇所に配置した上に
横に寝かせて焼成しています

こちらは目立てのある
表側の景色

こちらは目立てのない
裏側の景色
通常よりも面倒な焼成方法をとっているそうですが
そうしてひと手間かけることにより
このように表と裏でまるで景色が違う
表情豊かな作品が生まれるのです

丸っこいお猪口は
内側にたっぷりと織部釉が掛かっているので
お酒を酌むと深い緑がきらきらとゆらめき
とてもきれい
うっとり見つめてしまいます


深さのあるどんぶりは
何を盛るにもちょうどよい大きさ
サラダや煮物、これからの季節冷たいお蕎麦なんかにも
ぴったり
蕎麦猪口とともにざる蕎麦風もよし
茗荷や青じそ、わけぎや天かすを添えてぶっかけ風もよし
お料理盛ってみたい欲がむくむくと湧いてきます

フリーカップは
ビールやお茶をガブガブと飲みたい方に
おすすめの容量たっぷりサイズ
上に向かってふわりとふくらみがあるので
とても持ちやすいのです

片口の底には
流れやすい織部釉がたっぷりと溜まり
濃厚な緑の世界が広がります
線がやわらかく品のいい片口は
お酒を注いでも
お料理を盛っても
ただ其処に居ても
活躍の機会が多いこと間違いなしです

最後は片口風珍味入れ
ちょぼんとついている口の部分は
飾りのため何かを注ぐ用途には向きませんが
かわいらしい佇まいが
安達さんの遊び心を伺わせます
光の加減でも雰囲気が変わる
表情豊かな緑の景色
お近くの方はぜひ足をお運びください
<作品詳細>
織部竹片口 5775円(高さ12.5cm、直径9cm)
織部徳利(大) 3675円(高さ14cm)
織部ぐい呑み 1890円(高さ5.8cm、直径6.8cm)
織部どんぶり 4725円(高さ7cm、直径19.7)
織部蕎麦猪口 2625円(高さ8cm、直径8.7cm)
織部フリーカップ 1890円(高さ11cm、直径9cm)
織部片口鉢 3200円(高さ7cm、縦16cm、横12.5cm)
織部珍味入れ 1260円(高さ6cm)