2021年07月20日

田鶴濱守人展、開催中です (7/17〜27)

7月17日より、田鶴濱守人さんの個展が始まりました。
5月に愛知県の半田町から阿久比町に移窯、異なる環境と窯の調整に苦労されながらも、じつに田鶴濱さんらしい作品をたくさん焼いてくださいました。土と火から生み出されるエネルギーに満たされた店内で、改めて「うつわや」というまるかくの原点に立ち戻ったような気持ちになっています。

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ふっと深い呼吸をしたくなる、そんな風情の花器。「さめ肌釉」という、ちょっと変わった名前が付いています。黒土に白泥を施すことで、収縮率の違いから生まれる風合いが「まるで鮫肌のよう」だからなのだそうです。

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こちらは瑠璃灰釉。ところどころに現れる美しい瑠璃色は、コバルトと灰釉が窯の中で交じり合った結果。器に現れる表情はあくまで自然ですが、製法を聞けば聞くほど、そのこだわりぶりに驚いてしまいます。

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こちらも瑠璃灰釉。ごつごつとした石のような肌に見えますが、手に取ってみるとじつになめらか。ていねいな仕上げにも脱帽です。

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瑠璃灰釉、花器はしっとりとした風合い。

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呉須灰釉という名が付いていますが、こちらの茶碗も呉須と灰釉の組み合わせ。あじさいの青と響きあうような美しさです。

田鶴濱さんの器は、使う側からしてみると「助っ人」的な器です。どんなお料理であろうとも確実に受け止めてくれ、しかも食べやすい形。緊張感なく自然体で食事が楽しめます。そして、ついついお酒も進んでしまうけれど、ほろ酔いでの洗い物も問題なしの丈夫さと、ふきんが引っかからない肌も特筆すべき点。とにかく出番の多い器です。

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黒釉の長角皿は今回初のお目見え。絶妙な立ち上がり、1枚1枚の表情の違いがなんともいえない魅力。


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成形後に木版に載せたときにできた模様をあえて残した、黒釉の蓋物。一段重と二段重があります。

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鉄錆釉の燭台と角皿。


田鶴濱さんが陶芸と出合ったのは、大学院生時代。大学では油画科専攻、卒業後に何をやりたいかが決まらず、「執行猶予として大学院に進むことを親に許してもらったことがきっかけで、気持ちが解放されてものごとが鮮やかに見えてきた」と言います。

住宅街の壁のシミ、脱ぎ捨てられたTシャツ。タンクの錆、波にさらわれて丸くなった石。あらゆるものに刺激を受け、そのテクスチャーにおもしろさを見いだします。李朝の雨漏茶碗に出合ったのもこのころ。「李朝の茶碗は、使われるうちに貫入の隙間から有機的なものが入り込み、それが景色となっていきます。それは壁のシミと同様、自然が偶然に創り出したもの。見た瞬間、命が宿っているようだと思いました」。硬いはずの茶碗に思いがけないやわらかさや有機性を感じ、そこからどんどん陶芸の世界に引き込まれていったのだそうです。

陶芸の世界でいちばん影響を受けたのが、鯉江良二氏。不思議なご縁で導かれたそうですが、「窯焚きの手伝いに行ったりしていましたが、記憶に残っているのは歌って踊って過ごしたこと(笑)技術的なことは何ひとつ教わらなかったけれど、生き様をみせてもらったように思います」。唯一の教えは「なんでもやってみなさい」。その教え通り、たとえばごはんを発酵させて釉薬に入れる、などの実験もしたのだそう(ちなみに、これもちゃんと釉薬になったそう。見てみたいものです

そんな実験を数限りなく繰り返した田鶴濱さんが、「実際に使ってみたい器」という着地点を見いだしたのは、私たち使い手としては「うれしい!!」としか言いようががありません。

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キムチ壺の実用的な形に宿る美しさ。惚れ惚れします。キムチはもちろん、梅干しやラッキョウを浸けてもよし、冬なら味噌樽としても重宝しそうな大きさです。

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それぞれの作品にストーリーがあります。とてもすべてをここでご紹介することはできないのですが、店頭にはまだ十分に楽しんでいただけるだけの作品があります。暑さにお気をつけて、どうぞご無理のない範囲でお立ち寄りいただければ幸いです。

7/17(土)〜7/27(日)
・最終日は18時閉店とさせていただきます。
・営業時間や在廊日変更などの最新情報は、Instagramでお知らせします。






posted by marukaku at 18:21| 東京 ☀| Comment(0) | 展覧会風景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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