まるかくの作品展に初登場、プロの料理人がこよなく愛する新進気鋭のおふたりをご紹介しましょう。

関口憲孝さんは岩手のご出身。九谷の陶工所で陶芸を学んだころから、心は焼き締め一直線。中村久一氏に師事したのちに九谷を離れ、修業を積み重ねるも、心の中にある理想の焼き締めと、自分の手が作り出す焼き締めのギャップに悩み、「向かないのかもしれない」と悩む時期があったそうです。土や釉薬をとことん試し、ときには磁器を手がけてみたり。そんな寄り道や迷い道を経て、ようやく自分でも満足のいく風合いが出せるようになったといいます。
土もの好きにはたまらない、この「かさっ」とした感じ。軽やかなフォルムとのバランスが関口さんならでは。今回、大きめの器が比較的多いのですが、比較的薄手で軽く、重ねても厚みが出ないものが多いため、収納に困ることもありません。
内側はしっかりと釉薬がかかっている掛け分けシリーズも。タイのセラドン焼を彷彿とさせる大きめの角鉢は、アジア料理も似合いそうです。
一方の近藤亮介さんも、根っからの土の人。京都の窯業訓練校を卒業後、陶芸家の藤田登太郎氏の作品に惚れ込み、“弟子をとらない”師匠のもとで、来る日も来る日も茶碗を作る日々を送ります。「決して一から技術を教わるわけではなく、でも、それ以上に大切なことはすべてここで教わった」という近藤さん。たどり着いた先は、自作の直炎式登り窯、そして今の作品の中心となっている陽刻です。

今回の展示会では、陽刻以外にも薪窯ならではのこんな作品も登場しています。
関口さんと近藤さん、火と土の解釈や表現は異なりますが、とても使いやすく、お料理映えするという点では完全一致。食器棚を整理してでもまとめ買いしたくなる器ばかりです。店頭の作品展は9月28日まで、その後準備ができ次第、オンラインショップでもご紹介していく予定です。
【関口憲孝×近藤亮介 二人展】
2021年9月18日(土)〜9月28日(火)
※最終日の9/28(火)は18時閉店とさせていただきます。