2021年12月07日

小林徹也・平野日奈子 二人展

(すでに完売した作品もあります。在庫状況はお電話かメールでお問い合わせください)

今年最後の作品展は、満を持して小林徹也さんと平野日奈子さんの登場です。
では、さっそくおふたりの今回の作品をご紹介していきましょう。

小林徹也さん、今年はまたさらに釉薬の幅が広がり、どれもはっとするような美しさです。

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ワイドリム皿。左は粉引、右は彩白陶。

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こちらの彩白陶、近づいて見ると美しい貫入が。


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使いやすそうなリム鉢。左は錆釉、右は焼き締めです。奥にちらっと見えているのは黒釉。

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小林さんの釉薬の世界は広く深く、探求心はとても科学的。そこに自然がもたらす偶然も加わって、さらに深みのある風合いに。
こちらの浅鉢はすべて粉引ですが、それぞれの発色がどれも個性的で美しいのです。

さらに、ひっくり返してみると・・・

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これまたうっとり!です。

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焼締めの鉢も、ひとつひとつに「顔」があり。見ているだけでも飽きないのですが、使ってみるとさらにその魅力が倍増します。形がシンプルなので、どんなお料理にも使いやすいところも人気の秘密。

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そば猪口や湯のみもたくさん焼いてくださいました。

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少数精鋭の花器がまたよいのです。

小林さんの工房、来年は新しい窯も加わり、また異なる風合いの釉薬も試していきたいとのこと。これからの作品もますます楽しみです。


釉薬といえば、平野日奈子さんもまたとんでもない探求心の持ち主です。コバルト、オレンジ、黄色の釉薬を自在に操り、なんともいえない独特な表情を生み出します。

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部屋を選ばない花器。存在感がありながら、ときにしっとり、ときに華やかな空間を生み出してくれます。

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定番にして鉄板のマグカップ。持ちやすく、コーヒーの香りが立つのに冷めづらい造形。

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人気のオーバル皿。

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ピッチャーや花器など、大きな作品もたくさん届きました。

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思わず、かわいい!と声をあげてしまう小さな花器。少しずつ形が違います。

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カクミニ鉢。小さいけれど機能的、たとえ残り物のお惣菜でもこんな器にちょこんとのせたら、ごちそうに見えるろと間違いなし。

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初お目見えの輪花ボウル。

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蓋物もまた素敵です。

【小林徹也×平野日奈子 二人展】
2021/12/4(土)~14(火) 
※最終日は18時閉店とさせていただきます。

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2021年、計10回の作品展を開催することができ、スタッフ一同、お客さまをお迎えできるうれしさと喜びを味わっています。
せわしない師走のさなかですが、今年最後の作品展、よろしければお立ち寄りください。
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2021年11月13日

吉野敬子個展

(すでに完売した作品もあります。在庫状況はお電話かメールでお問い合わせください)

11月6日からスタートした櫨の谷窯・吉野敬子さんの個展。初日と2日目の作家さん在廊時には本当にたくさんの方が訪ねてきてくださいました。吉野さんとの再会を喜ぶお客さまも多く、私たちも幸せな気分に。初めての方も、吉野さんと話をされている間に、作品はもちろん、そのお人柄にどんどん魅了されていくのが分かります。

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吉野さんは、もともと唐津藩であった小さな谷間「櫨の谷」で、ご自身で採取した土や釉薬、鉄絵の材料を使い、唐津ならではの焼き物を作り続けています。

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こちらの写真は、2018年の春に櫨の谷窯におじゃましたときのもの。葦ぶき屋根の母屋、そして土を砕く唐臼の心地よい響き。敷地内では山羊が草を食む、そんな日本の原風景がそこにありました。

吉野さんの生活はとても「自然」です。といっても、なかなか現代では手に入らない自然。作陶生活の合間にはちみつ作りから山羊の世話、併設のカフェのお手伝いまで、ありとあらゆることを手がけているとおっしゃいます。お話を聞いていると、寝る間もないのでは?という忙しさですが、もしかして私たちの祖先の生活はこうだったのかもしれない、とも思える暮らしぶりでもあります。吉野さんの器の中には、そんな唐津の生活がぎゅっとつまっていそうな気がします。

お父様とともに、砂岩を原料とした古唐津を復元させた吉野さん。唐津焼の原点をみつめつつも、生活の中から生み出される吉野さんの「現在」が詰まった作品をご紹介しましょう。

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斑唐津の炊き合わせ鉢。じっと見ていると、なぜか台所にこもってことことと煮炊きしたくなってきます。器はお料理を盛るものだという、ごく当たり前のことを思い出させてくれる器です。

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斑唐津の片口手塩皿。

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どこかアジアな風情を感じる彫青唐津。

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朝鮮唐津。掛け分けられた釉薬が溶けあい、なんともいえない深い味わいを醸し出します。

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花入れもたくさん作ってくださいました。茶花はもちろん、どんなタイプの花も受け止めてくれそうなものばかり。

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店頭の作品展は11月16日まで。その後準備ができ次第、オンラインショップでもご紹介します。

2021年11月6日(土)〜11月16日(火)
※最終日の11/16(火)は18時閉店とさせていただきます。

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2021年10月20日

荒賀文成・蝶野秀紀 二人展

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10月16日からスタートした、荒賀文成さんと蝶野秀紀さんの二人展。今回はおふたりの在廊も叶い、お客様が作家さんにあれこれ質問しながらお買い物を楽しむ様子に、しみじみ幸せを感じています。

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まるかくにも長年のファンが多い、荒賀さんの粉引。一段とたおやかさが増したフォルム、進化し続ける釉薬。定番の馬たらい鉢は、どこで出合ったとしても、ひと目で荒賀さんの作品と分かります。それほど個性的。

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デザートコンポートとパフェコンポート。色っぽすぎてなんだかどぎまぎしてしまいます。

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ビアピルスナー、黒釉と粉引。ビールの種類や季節に合わせて選ぶのも楽しそうです。もちろん、温かいお茶やコーヒーにも。

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数は少ないながら人気の花生やポットもあれこれ届いています。

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こちらは新作のヒビ粉引陶板。家庭でも使いやすそうなサイズ感も魅力です。


さて、こちらは蝶野秀紀さんの作品、栃すり漆鉢。いろいろなサイズ、深さがあります。
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一般的な漆器は、木地師が作った器に塗師が漆をかけるという分業制で作られることが多いのですが、蝶野さんは材料探しから木地作り、漆がけまですべておひとりで手がけています。そのため「この風合いは好きだけど、大きさが・・」などと悩まなくても大丈夫。時間はかかりますが、お客様のリクエストに沿ったサイズで制作することも可能だそうです。気になる方は、スタッフにお声がけください。

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お椀も、他では見かけないフォルムです。拭き漆なので、あつあつのおすましもOK。毎日使ってもへたることがないのが最大の魅力です。10年、20年と使い続けてリペアが必要になったときにも、基本的には無償で応じてくださるそう。まさに一生使い続けられる器といえそうです。

和紙貼すみきり盆、栃の刷毛目やミズメの三島風の鉢や皿など、どれも蝶野さんらしい作品ばかり。この機会にぜひ店頭で手に取っていただけたらと思います。
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店頭の作品展は10月26日まで、その後準備ができ次第、オンラインショップでもご紹介します。

【荒賀文成×蝶野秀紀 二人展】
2021年10月16日(土)〜10月26日(火)
※最終日の10/26(火)は18時閉店とさせていただきます。
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2021年09月25日

関口憲孝・近藤亮介 二人展

まるかくの作品展に初登場、プロの料理人がこよなく愛する新進気鋭のおふたりをご紹介しましょう。

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関口憲孝さんは岩手のご出身。九谷の陶工所で陶芸を学んだころから、心は焼き締め一直線。中村久一氏に師事したのちに九谷を離れ、修業を積み重ねるも、心の中にある理想の焼き締めと、自分の手が作り出す焼き締めのギャップに悩み、「向かないのかもしれない」と悩む時期があったそうです。土や釉薬をとことん試し、ときには磁器を手がけてみたり。そんな寄り道や迷い道を経て、ようやく自分でも満足のいく風合いが出せるようになったといいます。

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 土もの好きにはたまらない、この「かさっ」とした感じ。軽やかなフォルムとのバランスが関口さんならでは。今回、大きめの器が比較的多いのですが、比較的薄手で軽く、重ねても厚みが出ないものが多いため、収納に困ることもありません。


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内側はしっかりと釉薬がかかっている掛け分けシリーズも。タイのセラドン焼を彷彿とさせる大きめの角鉢は、アジア料理も似合いそうです。


一方の近藤亮介さんも、根っからの土の人。京都の窯業訓練校を卒業後、陶芸家の藤田登太郎氏の作品に惚れ込み、“弟子をとらない”師匠のもとで、来る日も来る日も茶碗を作る日々を送ります。「決して一から技術を教わるわけではなく、でも、それ以上に大切なことはすべてここで教わった」という近藤さん。たどり着いた先は、自作の直炎式登り窯、そして今の作品の中心となっている陽刻です。

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今回の展示会では、陽刻以外にも薪窯ならではのこんな作品も登場しています。

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関口さんと近藤さん、火と土の解釈や表現は異なりますが、とても使いやすく、お料理映えするという点では完全一致。食器棚を整理してでもまとめ買いしたくなる器ばかりです。店頭の作品展は9月28日まで、その後準備ができ次第、オンラインショップでもご紹介していく予定です。


【関口憲孝×近藤亮介 二人展】

2021年9月18日(土)〜9月28日(火)

※最終日の9/28(火)は18時閉店とさせていただきます。



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2021年08月25日

中村真紀展、開催中です(8/21〜8/31)

空を見上げるとうろこ雲。秋の気配・・と思いきや、まだまだ蒸し暑い日が続く東京です。
まるかく店頭では、8月21日からガラス作家の中村真紀さんの個展が始まっています。この季節はもちろん、しっとりとした秋の食卓にも似合いそうなガラス作品が揃いました。さっそくご紹介しましょう。

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中村さんの酒器。いろいろなタイプがあります。見ているだけではおさまらず、ひょいと持ち上げて口に運びたくなるような、そんな形です。重くもなく軽すぎもせず、どんな手にもしっくりおさまるような気がします。

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転がしてみると、こんなお顔。大人な色合いがとても素敵です。

こんなお猪口を作る方は、きっとおいしいお酒を知っているのだろうなあ・・と、中村さんに尋ねてみると「そうですね、昔はよく飲んでいましたね。今はおいしいお料理とおいしいお酒が少しあれば、という感じですが。猪口は香りが立つ形を意識して作っています」とのこと。日本酒がお好きとのことで、ワイングラスを作るご予定はないそうですが、今回は、少し前にまるかくで開催した「たっぷり飲める展」のためにゴブレットも作ってくださっています(Instagramをご覧ください)。

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注器も充実しています。こちらの手付き注器、水切れは抜群、そして持ちやすく注ぎやすい形。約1合入ります。

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こんなシンプルな形もよいもの。お酒はもちろんのこと、ハーブティーなど楽しむのにもよさそうです。
ただし、ガラスは温度差に弱いので、熱いお湯は厳禁です。50〜60度くらいまで冷ませば大丈夫。また、急冷もしないほうがよいそうです。冷凍庫はNG、取っ手やつまみなどが付いたものは、冷蔵庫にも入れないでください(この片口やお皿など、シンプルな形のものなら冷蔵庫に入れても大丈夫です)。

さて、この辺で中村さんの作品の特徴でもある、美しき気泡と「底」をお見せしましょう。

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こちらの気泡の持ち主は・・

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楕円皿。「水面の月」と名付けられています。


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にぎやかな気泡。

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上から撮るとこんな感じ。涼やかな気泡に縁の金箔が気品を添えます。実に使いやすそうな小鉢です。

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このたおやかなフォルムの向付をひっくり返すと・・

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きりりとした底部が現れます。中村さんが「底へのこだわりがあって、仕上げにふつうの倍くらいの時間をかけてしまうんですよね」とおっしゃるのも分かります。逆さにしておきたいくらい美しい底、なかなかお目にかかれるものではありません。逆さになってしまいましたが、銘のMが入っているのも分かるでしょうか。そして気泡。裏から見てもやはり美しい。うっとり、です。

中村さんのモノづくりの原動力は「食べること」だといいます。「作った料理をのせたいから器を作っているようなところがあります。器単体でももちろん美しいほうがよいと思いますが、基本的に器は料理を盛って初めて完成するもの。サイズも、何寸とか何センチといった規格にとらわれず、盛りつけたときの余白をイメージしながら作っています」。

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こちらはDMでもご紹介した楕円皿の「星河」。天の川をイメージした気泡が入り、そのままでも十分に美しいのですが、お料理を盛ってみるとその魅力が倍増するのが分かります。この皿を用意した瞬間、料理気分にスイッチが入りそうです。

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食器だけではなく、こんなかわいらしい花器も。

かなりの点数が入荷していますので、店頭でぜひお手にとっていただければ幸いです。
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2021年8月21日(土)〜8月31日(火)


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2021年07月20日

田鶴濱守人展、開催中です (7/17〜27)

7月17日より、田鶴濱守人さんの個展が始まりました。
5月に愛知県の半田町から阿久比町に移窯、異なる環境と窯の調整に苦労されながらも、じつに田鶴濱さんらしい作品をたくさん焼いてくださいました。土と火から生み出されるエネルギーに満たされた店内で、改めて「うつわや」というまるかくの原点に立ち戻ったような気持ちになっています。

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ふっと深い呼吸をしたくなる、そんな風情の花器。「さめ肌釉」という、ちょっと変わった名前が付いています。黒土に白泥を施すことで、収縮率の違いから生まれる風合いが「まるで鮫肌のよう」だからなのだそうです。

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こちらは瑠璃灰釉。ところどころに現れる美しい瑠璃色は、コバルトと灰釉が窯の中で交じり合った結果。器に現れる表情はあくまで自然ですが、製法を聞けば聞くほど、そのこだわりぶりに驚いてしまいます。

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こちらも瑠璃灰釉。ごつごつとした石のような肌に見えますが、手に取ってみるとじつになめらか。ていねいな仕上げにも脱帽です。

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瑠璃灰釉、花器はしっとりとした風合い。

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呉須灰釉という名が付いていますが、こちらの茶碗も呉須と灰釉の組み合わせ。あじさいの青と響きあうような美しさです。

田鶴濱さんの器は、使う側からしてみると「助っ人」的な器です。どんなお料理であろうとも確実に受け止めてくれ、しかも食べやすい形。緊張感なく自然体で食事が楽しめます。そして、ついついお酒も進んでしまうけれど、ほろ酔いでの洗い物も問題なしの丈夫さと、ふきんが引っかからない肌も特筆すべき点。とにかく出番の多い器です。

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黒釉の長角皿は今回初のお目見え。絶妙な立ち上がり、1枚1枚の表情の違いがなんともいえない魅力。


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成形後に木版に載せたときにできた模様をあえて残した、黒釉の蓋物。一段重と二段重があります。

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鉄錆釉の燭台と角皿。


田鶴濱さんが陶芸と出合ったのは、大学院生時代。大学では油画科専攻、卒業後に何をやりたいかが決まらず、「執行猶予として大学院に進むことを親に許してもらったことがきっかけで、気持ちが解放されてものごとが鮮やかに見えてきた」と言います。

住宅街の壁のシミ、脱ぎ捨てられたTシャツ。タンクの錆、波にさらわれて丸くなった石。あらゆるものに刺激を受け、そのテクスチャーにおもしろさを見いだします。李朝の雨漏茶碗に出合ったのもこのころ。「李朝の茶碗は、使われるうちに貫入の隙間から有機的なものが入り込み、それが景色となっていきます。それは壁のシミと同様、自然が偶然に創り出したもの。見た瞬間、命が宿っているようだと思いました」。硬いはずの茶碗に思いがけないやわらかさや有機性を感じ、そこからどんどん陶芸の世界に引き込まれていったのだそうです。

陶芸の世界でいちばん影響を受けたのが、鯉江良二氏。不思議なご縁で導かれたそうですが、「窯焚きの手伝いに行ったりしていましたが、記憶に残っているのは歌って踊って過ごしたこと(笑)技術的なことは何ひとつ教わらなかったけれど、生き様をみせてもらったように思います」。唯一の教えは「なんでもやってみなさい」。その教え通り、たとえばごはんを発酵させて釉薬に入れる、などの実験もしたのだそう(ちなみに、これもちゃんと釉薬になったそう。見てみたいものです

そんな実験を数限りなく繰り返した田鶴濱さんが、「実際に使ってみたい器」という着地点を見いだしたのは、私たち使い手としては「うれしい!!」としか言いようががありません。

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キムチ壺の実用的な形に宿る美しさ。惚れ惚れします。キムチはもちろん、梅干しやラッキョウを浸けてもよし、冬なら味噌樽としても重宝しそうな大きさです。

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それぞれの作品にストーリーがあります。とてもすべてをここでご紹介することはできないのですが、店頭にはまだ十分に楽しんでいただけるだけの作品があります。暑さにお気をつけて、どうぞご無理のない範囲でお立ち寄りいただければ幸いです。

7/17(土)〜7/27(日)
・最終日は18時閉店とさせていただきます。
・営業時間や在廊日変更などの最新情報は、Instagramでお知らせします。




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2021年05月30日

三浦侑子展のご報告(2021年5月22日〜31日)

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三浦侑子さんの個展、無事終了いたしました。

期間中は天候にも恵まれ、たくさんの方に三浦さんの作品を見ていただくことができました。昨年はオンライン展覧会のみの開催、手に取って見られるこの機会をお客さまも心待ちにしてくださったのだなあとしみじみ。お越しいただいた皆さま、外でお待ちいただいた皆さま、本当にありがとうございました。


今回の個展では、三浦さんの作品のほぼすべてが勢ぞろいする貴重な機会となりました。今後も入荷予定がある作品の一部をご紹介しましょう。

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定番のワイングラス(角)。古き良き時代のビストログラスをお手本にした作品、吹きガラスならではの風合いです。昨年はスモークのみでしたが、今回はクリアも入荷。これがまたスモークとも違う魅力、涼やかでとてもよいのです。風が吹き抜ける草原のテラス、海辺の夕暮れ、旅先のレストラン・・・。さまざまな風景がガラスの向こうに見えてきそう。


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左がスモーク、右がクリア。


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もう一点スモークとクリアをご紹介しましょう。モールハットボウルという名前がついています。「フルーツならスモーク、ヨーグルトならクリア?」「この形と大きさなら骨董と合わせて向付にしてもよさそう」などなど、眺めているだけで妄想が膨らんでしまいます。


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今回、大物もあれこれ作っていただきました。こちらのドームは7寸皿(約21cmの直径)にぴったり。タナカマナブさんのお皿に合わせてみました。木工のお皿や華やかな色の器との組み合わせも楽しそうです。


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三浦さんのお皿、とにかく人気でいつもあっという間に完売してしまうのですが、使ってみるとリピーターの方の気持ちがよく分かります。美しいだけではなく、丈夫で傷も付きづらく、形も大きさもほどよいものが多いのです。戸棚の奥にはしまいたくない愛らしさ。眺めてよし、使ってよしの器です。


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グラスとお皿を一緒に選ぶお客様も。こちらのワイングラス(丸)はさりげない形ですが、そこには三浦さんならではのたくさんの工夫があります。グラスを傾けたときのバランスもよく、飲み干すときも無理がかかりません。ついついお酒が進むグラスですので、そこはご注意を。こちらもクリアとスモークがあります。


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モールグラスも人気です。昨年よりシャープなフォルムとなって再登場。夜の照明だけでなく、朝のテーブルにも似合うことに気づきました。フレッシュジュースやスムージーにも活躍しそうです。


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いわずもがなのかわいらしさ。いつも人気の隅入豆鉢。


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こちらは常設でもご案内している箸置き。夏の食卓にぴったりです。


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個展後、常設でお出しできる作品もまだほんの少しだけあります。気になる方はどうぞお電話でお問い合わせください。


【三浦侑子 (みうら・ゆうこ)略歴】

2004年 富山ガラス造形研究所造形科にてガラスの基礎を学ぶ
2006年 静岡県磐田市新造形創造館にてスタッフとして働き技術を磨く
2011年 岡山県苫田郡鏡野町へ移住、現在に至る


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2021年04月13日

土本訓寛・久美子展、開催中です(4/10〜20)

(すでに完売した作品もあります。在庫状況はお電話かメールでお問い合わせください)

4月10日にスタートした土本訓寛・久美子展。届いた作品のすばらしさにスタッフ一同大興奮。初日と2日目はおふたりが在廊してくださり、お客様とともにあれこれお話をうかがいながら、時を過ごせる幸せをかみしめています。

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まずは、とても珍しい手法で作られた「焼き締め象嵌」をご紹介しましょう。

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焼き締めでありながら細かな模様がある、まずそのことに驚きます。しかも、なんとも自然な溶け具合で、一見して象嵌とは気づかないほど。「焼き締めは窯の中の火の当たり方によって、灰の舞い方によって焼き色が変わってきます。ひとつひとつ異なるその表情を楽しんでもらうため、象嵌もごくシンプルに。よくよく見ると何か文様があるぞ?というくらいでいいと思っているんです」(訓寛さん)。

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その話に大きくうなずいてしまったのが、こちらの作品。窯の中で存分に火を浴びて育った焼き色、そこに加わる象嵌のさりげなさと楽しさ。土と火のエネルギーを肌で感じ、ずっと見つめていたくなります。

焼き締めは訓寛さん、そこに象嵌を施すのは久美子さん。おふたりはとても仲が良いのですが、夫唱婦随でも婦唱夫随でもないところがまたよいのです。「アイデアを寄せ合って作風を決めるというよりは、お互いの主張を認め合い、探りながら作っていく感じです。私はだいたい器の形からデザインを考えるのですが、どう描くかを決めるのは、じつは実際に描き始めた瞬間だったりします」(久美子さん)。お互いの個性を尊重し合い、たし算ではなくかけ算で出てくるものを楽しんでいる様子。それが作品に如実に現れているように思います。

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銅鑼鉢も、なんともいえない風情です。

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なんともほっこりした形の片口。立ち話をするフクロウに見えてきたり。

焼き締めはすべて薪窯で焼かれています。窯自体も実は訓寛さんの手作り。日中は久美子さん、夜は訓寛さんが窯を見守りながら、60時間という長い時間をかけて焼成するそうです。この1年は窯の調整を繰り返し、「窯との付き合い方もだいぶうまくなりました」(訓寛さん)と笑顔を見せてくれました。

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線描きの焼き締めもまたよい雰囲気。湯のみとしても使いやすい大きさですが、実はビールを飲むのにもおすすめ。底がまるみを帯びているため、きめ細かくほどよい泡が立ち、ビールがさらにおいしくなります。

いつもの三島手もたくさん焼いていただきました。
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花器は存在感たっぷり。右手の蓋ものは、小吸い物碗としても蓋碗としてもちょうどよい大きさ。

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そして、人気の急須。焼き締めも三島手もそろい踏み。
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いずれもかなり数が少なくなってしまいましたが、まだ間に合います。十分な対策のもとでお客様をお迎えしておりますので、広めの店内でゆったりと土本ワールドをお楽しみいただけたらと思います。


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2021年4月10日(土)〜20日(火)
(最終日は18時閉店)



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2021年03月24日

市野吉記×濱岡健太郎 二人展ご報告(3/13〜23)

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3/13〜23に器まるかく店頭で開催された二人展。予想を超える反響の大きさに、ブログ更新が個展後となってしまいました。ご報告という形で恐縮ですが、おふたりの作品を紹介させていただきます。

まずは市野吉記(コウホ窯)さんの安南手、スタッフ一同きゅんとしてしまった小花シリーズから。

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今回、フランス統治時代のベトナムの器を彷彿とさせるフォルムも多く登場。裏にも釉薬がかかっています。洋食器としてとらえることもできそうですが、どれだけフォルムが変わろうとも和食器のよさは失われないあたり、丹波立杭焼の下支えがあってこそなのかもしれません。

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鹿シリーズも大人気です。長い年月を経たかのような生地に、躍動感ある鹿が花を添えています。

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安南手は、もともとベトナムから伝わった技法をさしますが、現代では作家によってさまざまな解釈がなされ、新たな表現が生まれています。その中でも、市野さんの安南手はまた独特で他に類を見ません。

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日本六古窯のひとつ、丹波立杭焼の窯元で生まれ育った市野さん。誰にもまねできない安南手にたどり着くまでには、長い時間がかかったといいます。伝統へのリスペクトと新しいものづくりへの挑戦。それが今でも続いていることは、見た目のかわいらしさだけに終わらない、器としての使い勝手をみれば分かります。

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濃い色味の安南手も、前出の色安南とはまた別の魅力があります。色鮮やかな食材がたくさん出回るこれからの季節、活躍すること間違いなしです。


次に、まるかくに初お目見えの濱岡健太郎さんをご紹介しましょう。

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愛媛生まれの濱岡さんは、東京でデザインを学んだのち一般企業に就職。実家に戻り、陶芸家であるお父様のもとで作陶を始めたのはそのあとのこと。「職人気質の父が何かを教えてくれるわけもなく、作っているところをこっそりみたり、ろくろの跡を逆算して作り方を想像したり。時間はかかりましたが、それがよかったのかもしれないと今は思います」とおっしゃる濱岡さん。お父様とは違う作風を確立したいと、さまざまな工夫を重ね、たどり着いたのが今の「白」です。

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一口に「白」といっても、濱岡さんの白は実に多彩です。こちらはマット釉。作品の中でいちばん白みが際立っています。

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こちらは艶ありの透明釉。鉄分の影響でややアイボリーがかった色合い。

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釉薬だけではありません。土の配合や練り方を工夫することで、どこか懐かしさを感じる独特の風合いが生み出されています。

京都で修業した父を見て育ち、ときに反発しながらも、「清水焼でたたき込まれた京都のきっちりとした作り方は、案外自分の中に入っているような気もします。愛媛の砥部焼はあまり意識していないのですが、明治から昭和初期に生まれた『淡黄磁』など、影響を受けているものもあります」。

もっとたくさんの作品をご紹介したいのですが、濱岡さんの作品はあっという間にお客様のもとに旅立ち、撮影もままならず・・。お店に足をお運びいただいたのに、作品を手に取ることができなかったお客様にもたいへん申し訳ないことをしました。
その人気ゆえにたいへんお忙しい日々を送っている濱岡さんですが、また作ってくださるといううれしいお返事をいただいていますので、まるかくの店頭に再び作品が並ぶ日もそう遠くはないはずです。




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2021年02月08日

廣川温×馬野真吾展、始まりました

暖かな週末から一転して肌寒さが戻ってきた今週の東京です。

そんな話から入ったのは、今回の展示は肌寒い日に使いたい作品がずらりと並んでいるから。春っぽさを感じる展示ではないかもしれませんが、冬と春とがせめぎ合うこの時季にはぴったりなのではないかと思います。

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廣川温×馬野真吾展。2月6日(土)にスタートしました。まずは、廣川さんの耐熱の器から紹介しましょう。

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外側の飴釉と内側のマットな釉薬が溶け合って、なんともいえない温かみ。こんな鍋があるだけで、キッチンに入りたい気持ちが倍増。とても持ちやすく、重さもほどよくて手に負担がかかりません。じっくりことことの煮込み料理だけでなく、焼き物ももちろんOKの頼もしさです。使えば使うほど味が出て、よき風合いに。使いやすさも増していく気がします。今回、逆側に注ぎ口のある鍋も作ってくださいました。左利きやキッチンの事情に合わせて選べるのはうれしい限り。

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定番の耐熱皿はやはりいちばん人気。皿ごとオーブンに入れてそのままテーブルに出せるのに、この美しさ!隅まで洗いやすいところもポイントです。


廣川さんといえば耐熱の器というイメージが強いのですが、それ以外の作品もとても素敵です。
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チタンマット釉のマグカップ。まるかくの古家具とはぴったりの相性ですが、きりりとしたモダンなインテリアにも映えそうです。

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持ちやすく、ほどよい大きさ。写真では見えにくいのですが、灰釉が還元焼成で変化し、一部青みがかった色合いに。これがなんともいえない風合いを醸し出しています。

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釉薬のにじみ具合がなんとも美しい飯碗とマグカップ。

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花器も作ってくださいました!こんな個性的な花器があったら、いけるお花も冒険したくなりますね。口は広いのですが、内側に一回り小さな容器を入れるとお花のおさまりがよくなります。もちろん花留めを使っても。

次は馬野真吾さんの作品を紹介します。

【廣川温×馬野真吾展】
2/6(土)〜2/16(火)
※現在、店舗の営業時間は11時〜18時、水曜定休です。
※オンラインショップでは2/9(火)19時に展示・販売をスタートします。詳細はこちらをご覧ください。






posted by marukaku at 16:59| 東京 ☀| Comment(0) | 展覧会風景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月15日

黒木泰等展、開催中です

(すでに完売した作品もあります。在庫状況はお電話かメールでお問い合わせください)

11月7日にスタートした黒木泰等さんの個展、およそ3年ぶりの開催となります。
「待っていたんです!」「一目惚れしました」といったお声を聞きながら、作家さんとお客様をつなぐことのうれしさを噛みしめる日々です。

いつもながらの繊細なフォルムは健在、そして、使いやすさは以前より増したように思います。まずは今回の人気の作品から。

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白釉シリーズ。潔い白でありながら、この色気と柔らかさが出せるのは黒木さんだけかもしれません。(スタッフもじっくり見る間がないほど早々に売り切れてしまったものもあり、ご迷惑をおかけしております)

どんな角度から見ても美人さんなのに、相手(料理)を選ばない白。取り澄ましていないところが魅力。これらの白釉作品を見ていると、ここ数年、黒木さんがいかに白と真剣に向き合ってきたことが分かります。

もちろん、黒木さんならではの織部や黒釉も健在です。まずは花器から。
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オンラインショップにも掲載中の織部の花生2点。このやわらかなフォルム、思わず触れたくなります。


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こちらは窯変の花生。もちろん和花にも合いますが、グレーがかったクレマチスシードと合わせるとこんなモダンな風情に。

食卓のうつわは店頭に並べきれないほどの数が届きましたが、あっという間に少なくなってきました。定番も含め、少しだけご紹介を。
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鉄黒釉高坏豆鉢。足つきの器があると、テーブルがぐっと引き締まります。クリスマスやお正月にも活躍しそうです。

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ごちそうでなくてもおいしそうに見えること確実の黒釉プレート。

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変わらぬ美しさ、そして日々進化しています。黒木さんならではの織部。


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もちろん、一点ものの酒器や茶器も。

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薄手の飲み口がうれしいロックカップ。グラスで飲むお酒とは一味違います。氷を入れたときのからりんという音がなんとも心地よく。

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黒木泰等展は11月17日(火)まで。この機会にぜひお立ち寄りください。

【黒木泰等展】 
11月7日(土)〜11月17日(火)
(最終日は17時閉店となります)



posted by marukaku at 10:32| 東京 ☀| Comment(0) | 展覧会風景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月16日

田中俊介・大胡琴美・山口友一 三人展

(すでに完売した作品もあります。在庫状況はお電話かメールでお問い合わせください)

10月10日にスタートした三人展、店内はまさに秋色です。しっとりと深みのある空間になっているのは、おそらく三人の作品にさまざまな共通点があるからなのだと思います。

例えば、「かたさ」「やわらかさ」の解釈。あるいは、「古いもの」「新しいもの」のとらえかた。

もちろん、作風は全く異なりますし、素材も田中さんは金属、大胡さんと山口さんは土です。作っている場所もそれぞれ、一見つながりのなさそうな3人ですが、並べてみると2倍にも3倍にも魅力が増すような気がするのです。

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いみじくも田中俊介さんがこんなことをおっしゃっていました。「金属はなんとなく冷たくて硬いイメージを持っている人が多いと思うのですが、やわらかい形やあったかい質感も醸し出すことができる、とてもおもしろい素材なんです」。

確かに田中さんが作り出す形には、土や木に通じるあたたかさがあるような気がします。例えば今回の新作である、たんぞうスプーン&フォーク。この「たんぞう=鍛造」という製法は、真鍮の丸棒を真っ赤になるまで焼き、冷めないうちにたたいて加工するのだそう。平たい真鍮の板を加工するのとはまた違った雰囲気の作品となっています。

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たんぞうスプーンとフォークはそれぞれ大・中・小とあります。持ち手の部分は、葉っぱや魚の尾びれのような有機的なイメージで作っているのだそうです。使い込むとまたさらによい風合いになっていきます。


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こちらも新作、その名もフルムーントレー。写真はφ34cmの大きさですが、他に28cm、22cmがあります。ていねいに仕上げられた“月面”に、秋のお野菜を少しずつ。


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田中さんは、食器ばかりでなく調理器具もお得意。いつも入荷したとたんに出ていってしまうふたば鍋も入荷、ミニサイズも登場しています。


銅の湯わかし。ふたば鍋と同じく内側は錫で加工してあります。銅鍋の熱伝導率+手入れのしやすさ、そしてこのかわいらしさ!!朝、コーヒーを入れるときにこんな道具を使ったら、それだけで1日気持ちよく過ごせそうです。

田中さんが金属の魅力に気づいたのは、なんと高校生のときだそう。美術の道を志して油絵を専攻、そんな中で出合った金工の授業で金属のおもしろさに目覚めたといいます。「硬い金属がたたかれて形が変わるのはおもしろいものだなあと。そして、すぐには変化せず、時間をかけて少しずつ変わっていくあたり、自分の性分に合っていると思いました」。以来、素材と対話しながら製作を続ける田中さん。金属を身近に感じて欲しいと、食器や調理道具などの身近なものを作り続けています。


続いて、大胡琴美さんと山口友一さんの器にもご登場いただきましょう。
まずは、陶房を松本から千葉に移した大胡さんの作品から。

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大胡さんのブロンズ釉シリーズは、釉薬にマンガンを使っています。今回、こんなキュートな一輪挿しをたくさん作ってくださいました。

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こちらは、安定の片口。

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内側は透明釉。外側の釉薬の金属成分が流れ込んで反応し、乳白色の部分ににじむように黄色や緑が広がっていきます。これがなんとも美しく、あたたかい表情を生み出します。

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コーヒーカップ&ソーサー。内側は少しずつ貫入が入り、いい具合に育っていきます。田中さんの真鍮とも相性ぴったり。

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こちらは焼締めの茶器。まるで秋の夜空のよう。吸い込まれそうな美しさです。


続いて、山口友一さんの作品です。
熊本県の小代山麓で400年も前から焼き続けられている小代焼。窯元の長男として生まれた山口さんは、お父様から引き継いだ伝統的な手法に、現代的なフォルムを掛け合わせて独自の作風を生み出しています。

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伝統的な青小代釉にマット感のあるリムが印象的。どんなお料理でも受け止めてくれそうな青小代釉プレートです。大きさは9寸と7寸の2種類。


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こちらは、つぶ化粧緑釉の急須。素地に顔料で色をつけ、その上に白化粧を施すことで流れるような模様が現れます。


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南米の古いものが好きとおっしゃる山口さん。こちらの白線文様黒釉盆皿の大胆な刷毛目は、もしかするとそんなところからの発想なのかもしれません。一見使いこなしが難しそうに見えますが、じつは盛り映えのする使いやすい器です。

田中さん、大胡さん、山口さんの作品を駆け足にご紹介しましたが、店頭ではまだまだたくさんの作品をご覧いただけます。また、オンラインショップでも一部の作品を取り扱っていますので、遠方のかたはぜひこちらをご利用ください。

【田中俊介・大胡琴美・山口友一 三人展】
10月10日(土)〜10月20日(火)

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2020年05月14日

三浦侑子さんのガラス

本日より、木工作家・斗沢誠さんとガラス作家・三浦侑子さんのオンライン二人展が始まりました。

会期:2020年5月14日(木)〜6月2日(火)

(三浦さんの作品はたいへんな人気で、スタート時から品切れが続出しております。現在追加で製作をお願いしていますので、納品日程が決まりましたらInstagramにてご案内いたします。なお、「ワイングラス角」「ワイングラス丸」「テイスティンググラス」「モール台付グラスM」「モール台付グラスS」「ベルグラス」は21日11時より販売スタートの予定です)


さて、昨日の斗沢誠さんのご紹介に続き、今日は三浦侑子さんの作品をご紹介していきましょう。
まずは、とても使い勝手のよいリム皿、楕円皿から。

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こちらは直径20cmほどのリム皿M。三浦さんのお皿はその美しさだけでなく使い勝手のよさにも驚かされます。ほどよい深さと角度が絶妙で、スプーンやフォークをあててすくうのがとても楽なのです。お料理を美しく食べ切ることができるお皿、最高です(洗う身としても!)。
リム皿は、M(φ20cm)L(φ24cm)9寸(φ27cm)があります。

続いて、楕円皿。
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21cm×24cmの楕円皿M、どんなお料理にもオールマイティに使えます。プロのお料理をテイクアウトする機会も多いこの時期、いつもの器をガラスに変えるだけで気分は初夏!斗沢誠さんのとも相性よし。ガラスなのにどこか温かみがあって、ナチュラルな木の素材がしっくりと合います。

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楕円皿、ひっくり返すとこんな感じ。リム皿と同様の「絶妙な角度と深さ」、分かっていただけるでしょうか。

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こちらは、モールボールS。こごみのお浸しもガラスの器に盛ると新鮮。
三浦さんの器を使うと、なんだか心地よすぎて日が高いうちから一杯飲みたくなってきます。


そんなときは、こちら。

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このかわいらしい形!小ぶりなので、このくらいなら昼間のアルコールもOK、ですね。


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水でもワインでも。ベランダの鉢植えハーブと旬の柑橘類を合わせてデトックスウォーターというのもよいなあ・・と、スタッフ妄想中。

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縦横に針が並んだ型で編目模様を付けた美しいグラス。
写真ではなかなかお伝えしづらいのですが、日差しを浴びるとこんな感じに。

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ところで、家でお酒を飲む場合、片づけが面倒でよいグラスは使わなくなってしまった・・という方もいらっしゃるかと思います。そういう意味でも三浦さんのグラスは秀逸です。
まず、バランスのよさ。うっかり倒してしまう心配がいりません。洗うときもしっかりと握ることができるので、ほろ酔いで洗っている最中に・・なんてことも避けられそうです。

それもそのはず。18世紀のヨーロッパ、まだグラスは機械生産されておらず、すべてが吹きガラスで作られていたころ。大衆食堂では、華奢すぎず、耐久性のあるグラスが好まれていました。そんな「ビストログラス」が、三浦さんのお手本なのだそうです。

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ワインはもちろんですが、アルコール度ちょっと高めのビールなどにもよさそう。

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定番にしていちばん人気。家族でごはんを食べながら、あるいは、仕事終わりのひとり飲み。どちらにもよさそうです。

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どのグラスにもいえることですが、丸みを帯びたふちが唇に当たる感触のなんと心地の良いこと!家でくつろぐときには飲み口の薄いグラスは不似合い・・とさえ思います。

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大きさと形の国際規格があるテイスティンググラスはマシンメイドのものがほとんどで、手吹きは珍しいのではないでしょうか。三浦さんによると「だんだんと自分の好みのフォルムになっているかも?」とのことですが、家でのテイスティングなら問題なし。こんなグラスがひとつあるだけで、なんだか楽しい夜になりそうです。

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もうひとつ、とてもキュートな作品を。

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この小さなお皿の使い道、なんだと思いますか?
「ちょっと席を立つとき、グラスの上に」(三浦さん)。
なるほど!

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ハットボウルと組み合わせてこんな使い方も。

今回作っていただいた作品は、すべてうっすらと色が入った「スモーク」シリーズとなります。クラシカルで温かい雰囲気をお楽しみください。

会期:2020年5月14日(木)〜6月2日(火)

※「ワイングラス角」「ワイングラス丸」「テイスティンググラス」「モール台付グラスM」「モール台付グラスS」「ベルグラス」は21日(木)11時より販売スタートの予定です。
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2020年05月12日

斗沢誠さんと三浦侑子さんのオンライン作品展が始まります(5/14〜6/2)

新緑のまぶしい季節となりました。
この季節に向けて準備を進めてきた、木工作家・斗沢誠さんと、ガラス作家・三浦侑子さんの二人展。神泉の実店舗でお客様とのおしゃべりを楽しみながら、おふたりの作品をご紹介することを楽しみにしておりましたが、現在の状況下ではかなわず、オンラインショップ限定での開催とさせていただくことになりました。

会期:2020年5月14日(木)〜6月2日(火)
※14日(木)11時より展示・販売をスタートします。

作品を直接見ていただけないのがもどかしい限りですが、少しでもリアルにお伝えできるよう、スタッフが感じた作品の魅力をブログやInstagramでお伝えしていきたいと思います。今日は斗沢誠さんの作品をご紹介しましょう。

まずご紹介したいのが、ナラの古材を活かした角盆です。

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古材特有の亀裂や虫食いの穴。使いづらさがないといえば嘘になります。斗沢さんご自身も、それをよしとするまではずいぶんと時間を費やしたのだそう。しかし、「自然そのものを生かすことによって生まれる存在感は、人工的には再現できない」と気づいた日から、好んで古材を使い、木という天然の資源を可能な限り有効に使い切りたいと考えるようになったといいます。

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割れは丈夫な山葡萄のつるを使って補修。黒色は鉄媒染によるものです。亜麻仁油を主成分としたオイルを浸透させて下地を作り、さらにウェットサンディングという手のかかる方法で仕上げています。そのため、長く使ってもほとんどお手入れいらずですが、表面が白っぽくなったり、ざらつきを感じたときには、必要に応じて軽くやすりをかけオイルを再塗布するとよいとのこと。オイルは乾性油と呼ばれる木材の手入れ用のものがベストですが、手に入らなければ食用のオリーブオイルを代用しても大丈夫だそうです。


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こちらはナラの色をそのまま活かし、最後にウレタンで加工した一点。刷毛塗りによるていねいな仕上げで、見た目も肌合いもオイルフィニッシュと変わりません。なお、すべての古材は衛生面を考えて80℃の高温で1週間、人工的に乾燥させているそうです。

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斗沢さんが暮らす北海道の広尾町は、今も杣夫(そまふ)と呼ばれる人々が山林を守っています。10月の新月に木を切り倒し、そのまましばらく寝かせ、雪がまだあるうちに運び、夏場に加工をするのだそうです。寒い時期の伐採はたいへんですが、そのかわり菌が繁殖しにくく、割れや変形が少ない良質な木材ができるといいます。しかし、それだけ手間をかけた木材は非常に高価です。ふだんの生活に使う木製品をできるだけ価格を抑えて作りたいと考えた結果、斗沢さんは風で倒された天然木(風倒木)を用いることを思いついたといいます。沼地のような柔らかな地面に倒れた木であれば傷みも少なく、食器や盆に蘇らせることは十分に可能、と考えることができたのは、木を知り尽くした斗沢さんならではといえるでしょう。

そこから生み出された器は、「一刀彫」というとても手のかかる手法で作られています。

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ニレの風倒木をていねいに一刀彫で仕上げたボウルは、天然木ならではの美しい木目。ウレタンによる完全防水がほどこされています。

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センの木の作品はナチュラルな色を活かして。ずっしりとした重さが心地よいボウルです。


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よちよちと歩き出しそうな四つ足に思わずほっこり。タモ材の作品です。


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クルミに鉄媒染を施したボウルはシャープな雰囲気。

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ウレタン加工もいろいろで、斗沢さんの木製品の仕上げはとてもていねい。肌合いだけではウレタンがかかっていることはまったくといっていいほど分かりませんが、水をかけてもこの通り、ちゃんとはじいてくれます。お盆の場合、これがどれだけ助かることか!ぬれたふきんやグラスをちょっと置いても、染みになる心配もありません。とはいえ、素材は木ですので、長時間濡らしっぱなしにするのは厳禁です。



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展示・販売は、明日5月14日(木)11時スタートです。どうぞゆっくりご覧ください。
明日は三浦侑子さんのガラス作品をご紹介します。


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会期:2020年5月14日(木)〜6月2日(火)

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2020年02月10日

土本訓寛・久美子×蝶野秀紀展、2/11が最終日です

好評の「土本訓寛・久美子×蝶野秀紀」展、あっという間に終盤です。

初日にお嫁に行った作品も多いのですが、まだまだ魅力的な作品が揃っています。いくつかご紹介しましょう。


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ころんとかわいらしいフォルムの汁椀。熱湯もOKなので、フリーズドライのおすましなどにも使えます。電子レンジと食器乾燥機はNGですが、それ以外は陶磁器と同じ扱いで大丈夫。長時間水に浸しても、油ものを盛っても全く問題ありません。蝶野さんいわく「毎日使うことがお手入れ」だそうです!

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蝶野さんの漆と土本さんの象嵌や魚々子文の相性のよさといったら! 板皿は、もちろんそのままお料理をのせても。


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蓋付きの栃筋目椀。轆轤引きで非常に細かくランダムな筋目を残すのだそうです。


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土本訓寛・久美子さんの飯碗。


家で蓋付きの器を使うことは多くないかもしれませんが、ちょっとがんばってお料理するときなどにはおすすめ。大人のひな祭りなどいかがでしょう。和食はもちろんですが、アジアンハーブたっぷりのエスニックごはん、というのもよいかも。食卓で蓋を開けた瞬間、「わあ!」という笑顔があふれるはず。汁椀はポタージュにも似合いそうです。


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土本さんの三島手茶器、持ち手が丸くなって可愛さ倍増。

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お客様から「かわいい!」と声が上がる、コンポートドーム。木材はミズメ、大・中・小と揃っています。


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複数枚揃えておくと、何にでも使えそうな筋目の小皿。


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まだ枚数が揃っています。


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蝶野さんのコンポート皿の上に、土本さんの魚々子文の湯のみ。この小さな湯呑みは、お客様にお料理を出す前一口のお茶や食前酒、あるいは料理店のようにおだしを一口、などという使い方もできそうです。

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何も言うことなし!の、美しい仕上がり。まだ店頭に残っているのが不思議なほどです。お早めにどうぞ。


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土本さんにいただいた福井の抹茶菓子を魚々子文の小皿に。栃灰緑のトレーとの相性もよし。


駆け足でのご紹介となりましたが、明日もよい天気、気温も若干上がりそうです。ぜひお立ち寄りください。

最終日の2月11日(火)は、17時閉店となります。


なお、ブログやInstagramで紹介した個展作品は、明日2月10日17時までにお電話をいただければ、作品を郵送でお送りすることも可能です。





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2020年02月02日

土本訓寛・久美子×蝶野秀紀展が始まりました(2/1スタート)

待望の土本訓寛さんと久美子さん、そしてまるかく初登場の蝶野秀紀さんの作品展がスタートしました。昨日と今日は作家さんの在廊日。お天気にもめぐまれ、とてもにぎやかなまるかくです。

土本さんと蝶野さんの作品はお互いを引き立てあうような相性のよさ。まずはざっくりと店内の様子をご紹介しましょう。


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土本訓寛・久美子 × 蝶野秀紀 展
2020年2月1日(土)〜2/11(火) ※水曜定休
※作家在廊日 2月1日、2日
※最終日2/11は17時閉店となります。
posted by marukaku at 15:03| 東京 ☀| Comment(0) | 展覧会風景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月22日

荒賀文成さんの新作

早いもので、今年も残すところあと10日。まるかくの店頭も、クリスマスやお正月の準備で器を見に来られるお客様が増えています。

開催中の荒賀文成+山田晶展は、年末年始のパーティーやお祝いにぴったりの器が揃っているのですが、それとは別に「1年間がんばったごほうび」と、ご自身へのプレゼントを選ばれるかたもいらっしゃいます。

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例えばこちらのカップとぐいのみ。荒賀文成さんの作品です。黒釉の上に金結晶釉がとろりとかかり、なんともいえない艶っぽさ。揃えるよりも自分専用にしたい、そんな気持ちにさせられます。カップは比較的大きめなので、冬のビールも似合いそうです。

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光によってだいぶ雰囲気が変わります。


こちらは、半磁器を使った焼き締めの鉢。シンプルな形はろくろの巧さあってこそ。

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もちろん、定番の粉引も健在。たくさんの作品を焼いてくださいました。

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荒賀文成+山田晶展は12/24まで。ぜひ足をお運びください。

なお、現在器まるかくは伊勢丹の催事にも出展中です。
お時間がありましたら、こちらにもお立ち寄りください。

会場:伊勢丹新宿店本館5階=センターパーク/ザ・ステージ#5
会期:12月13日(水)〜12月31日(月)
 12月13日(火)〜25日(月) Warehouse Market 〜過去からの贈り物〜 
 12月26日(火)〜31日(日) 迎春えんぎもん市

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2017年12月17日

山田晶さんの器

特に好きというわけでなくても、この季節になると恋しくなる色。それが赤かもしれません。
赤色の器は使いこなしが難しいようにも思いますが、実際に使ってみると、どんなお料理もしっくりと受け止めてくれることに気づきます。それはおそらく、日本の食卓では漆器が使われてきたことと関係があるのでしょう。

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山田晶さんが生み出すのは、どこか漆を思わせるしっとりとした赤です。日本の伝統色にはいろいろな名前がありますが、山田さんの赤は、深紅でも茜でも銀朱でもなく「猩々緋」。この独特の色と艶は、金系の上絵を筆で塗り、低温焼成するという工程を3〜4回も繰り返すことによってようやく生まれるのだそうです。

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猩々緋だけではありません。黒の美しさ、プラチナ彩と呼ばれる銀色も、山田晶さんの器ならではです。特別な日に使いたい、プラチナ彩の八角皿。

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外側は黒、内側がプラチナ彩の中鉢。暖色系の照明があたると、さらにゴージャスな雰囲気に。

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洋食器としても使えるモダンなフォルムも魅力ですが、こんな伝統的な形もぐっときます。たいせつな人へのギフトにも最適です。

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山田晶さんと荒賀文成さんの二人展は、12月24日(日)まで。ぜひお早めにお越し下さい。

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2017年10月24日

大胡琴美さんの器

ご好評をいただいている「大谷桃子+大胡琴美 二人展」も最終週を迎えました。
今日は、松本で作陶されている大胡琴美さんの作品をご紹介しましょう。

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こちらは新作の片口と盃です。ヒスイのような緑、テーブルの差し色になりそうですね。秋の夜長、こんな酒器でくつろぎたいものです。


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手のひらにのるサイズの金環小皿。ブロンズ釉が溶けてできた紋様は小さいながらも存在感があります。ブロンズ釉とガラス釉の組み合わせがとてもクール。


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さり気ない風情の花生けに木の実をさしてみました。主張しすぎない形に安らぎを感じます。


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備前の土を用いた焼締めの片口と盃です。大胡さんはこの水墨画のような景色を求めて、あさりの殻、もみ殻、木炭など、さまざまな素材を窯に入れるという工夫をされています。


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筆で一枚ごとに塗られたブロンズ釉は手仕事の温かさに満ちています。和え物に、和菓子皿にと、用途の幅広さも人気の理由かもしれません。


料理が楽しくなる器。そんな作品が身近にあることに何ともいえない幸せを感じます。
皆さまもお気に入りをみつけにいらしてください。

大谷桃子・大胡琴美 二人展 
2017/10/7(土)〜10/29(日)
posted by marukaku at 10:00| 東京 ☀| Comment(0) | 展覧会風景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月19日

大谷桃子さんの器

大谷桃子さんと大胡琴美さんの二人展、中盤に入りました。

バナナの葉や蓮の花など、南国の植物をモチーフにした作品が得意な大谷さんと、金属やガラスを思わせるクールな質感が特徴の大胡さん。おふたりに共通するのは、個性的でありながら、日常使いにぴったりな器を作り出すところでしょうか。

さて、今日は大谷さんの作品をご紹介しましょう。

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大谷さんの甘すぎない絵付けは、男性にも人気があります。「これで焼酎を飲むのが気に入ってたんだんだけど欠けちゃって」と、フリーカップ二代目を購入される会社員の方。「自分も気に入っているから友人にも」と、角皿を買い求める若い男性。大谷さんの器を購入されるお客様は、なんだかみなさん楽しそうです。

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こちらはスタッフ所有の黒ハスの花八寸皿。なにかと出番の多い器です。大胆な絵付けの皿は、お料理を合わせるのが難しそうに思えますが、実際に盛ってみると、蓮やバナナリーフがちょうどよいアクセントになることが分かります。形がシンプルで使い勝手がよいのも大きな特徴。「器作りの発想が浮かぶのは、台所に立っているとき」とおっしゃる大谷さんならではの大きさ、重さ、形なのです。

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今回、大きいサイズの器も焼いてくださいました。白一色の掻き落とし、個展以外ではなかなかお目にかかれない作品です。

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このベージュシリーズも人気の作品。ざらりとしたマットな風合いがお料理を引き立たせてくれます。

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二人展は10月29日まで。この機会にぜひお寄りください。

大谷桃子+大胡琴美 二人展
2017/10/7(土)〜10/29(日)
posted by marukaku at 00:11| 東京 ☁| Comment(0) | 展覧会風景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする