2020年05月12日

斗沢誠さんと三浦侑子さんのオンライン作品展が始まります(5/14〜6/2)

新緑のまぶしい季節となりました。
この季節に向けて準備を進めてきた、木工作家・斗沢誠さんと、ガラス作家・三浦侑子さんの二人展。神泉の実店舗でお客様とのおしゃべりを楽しみながら、おふたりの作品をご紹介することを楽しみにしておりましたが、現在の状況下ではかなわず、オンラインショップ限定での開催とさせていただくことになりました。

会期:2020年5月14日(木)〜6月2日(火)
※14日(木)11時より展示・販売をスタートします。

作品を直接見ていただけないのがもどかしい限りですが、少しでもリアルにお伝えできるよう、スタッフが感じた作品の魅力をブログやInstagramでお伝えしていきたいと思います。今日は斗沢誠さんの作品をご紹介しましょう。

まずご紹介したいのが、ナラの古材を活かした角盆です。

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古材特有の亀裂や虫食いの穴。使いづらさがないといえば嘘になります。斗沢さんご自身も、それをよしとするまではずいぶんと時間を費やしたのだそう。しかし、「自然そのものを生かすことによって生まれる存在感は、人工的には再現できない」と気づいた日から、好んで古材を使い、木という天然の資源を可能な限り有効に使い切りたいと考えるようになったといいます。

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割れは丈夫な山葡萄のつるを使って補修。黒色は鉄媒染によるものです。亜麻仁油を主成分としたオイルを浸透させて下地を作り、さらにウェットサンディングという手のかかる方法で仕上げています。そのため、長く使ってもほとんどお手入れいらずですが、表面が白っぽくなったり、ざらつきを感じたときには、必要に応じて軽くやすりをかけオイルを再塗布するとよいとのこと。オイルは乾性油と呼ばれる木材の手入れ用のものがベストですが、手に入らなければ食用のオリーブオイルを代用しても大丈夫だそうです。


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こちらはナラの色をそのまま活かし、最後にウレタンで加工した一点。刷毛塗りによるていねいな仕上げで、見た目も肌合いもオイルフィニッシュと変わりません。なお、すべての古材は衛生面を考えて80℃の高温で1週間、人工的に乾燥させているそうです。

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斗沢さんが暮らす北海道の広尾町は、今も杣夫(そまふ)と呼ばれる人々が山林を守っています。10月の新月に木を切り倒し、そのまましばらく寝かせ、雪がまだあるうちに運び、夏場に加工をするのだそうです。寒い時期の伐採はたいへんですが、そのかわり菌が繁殖しにくく、割れや変形が少ない良質な木材ができるといいます。しかし、それだけ手間をかけた木材は非常に高価です。ふだんの生活に使う木製品をできるだけ価格を抑えて作りたいと考えた結果、斗沢さんは風で倒された天然木(風倒木)を用いることを思いついたといいます。沼地のような柔らかな地面に倒れた木であれば傷みも少なく、食器や盆に蘇らせることは十分に可能、と考えることができたのは、木を知り尽くした斗沢さんならではといえるでしょう。

そこから生み出された器は、「一刀彫」というとても手のかかる手法で作られています。

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ニレの風倒木をていねいに一刀彫で仕上げたボウルは、天然木ならではの美しい木目。ウレタンによる完全防水がほどこされています。

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センの木の作品はナチュラルな色を活かして。ずっしりとした重さが心地よいボウルです。


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よちよちと歩き出しそうな四つ足に思わずほっこり。タモ材の作品です。


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クルミに鉄媒染を施したボウルはシャープな雰囲気。

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ウレタン加工もいろいろで、斗沢さんの木製品の仕上げはとてもていねい。肌合いだけではウレタンがかかっていることはまったくといっていいほど分かりませんが、水をかけてもこの通り、ちゃんとはじいてくれます。お盆の場合、これがどれだけ助かることか!ぬれたふきんやグラスをちょっと置いても、染みになる心配もありません。とはいえ、素材は木ですので、長時間濡らしっぱなしにするのは厳禁です。



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展示・販売は、明日5月14日(木)11時スタートです。どうぞゆっくりご覧ください。
明日は三浦侑子さんのガラス作品をご紹介します。


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会期:2020年5月14日(木)〜6月2日(火)

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2020年02月20日

東急プラザ渋谷に出店中です(2/18〜3/16)

2月18日(火)より、東急プラザ渋谷で開催中の「イチイチイチのうつわ市〜春」に出展しています。

【場所】東急プラザ渋谷3階 ポップアップスペース「111」
【日時】2020年2月18日(火)〜3月16日(月) ※最終日は18時クローズ

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この催事のために、まるかくの作家さんたちがたくさんの作品を焼いてくださいました。
現在出品中の作品をいくつかご紹介しましょう。

まずは、澤克典さん。澤さんならではの個性的な作品が届いています。
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なんとなく、話しかけられているような気分になる急須。


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こちら、ひっくり返すとまた別の姿が・・。気になる方は、ぜひ実物を見にいらしてください!


大人気の田中信彦さん作品はほとんどが一点ものです。個展以外ではなかなかお目にかかれない作品も。
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写真では風合いをお伝えできなくて残念。この蚊帳目皿、本当にすてきです!


高田志保さんは、マグカップ、鉢など使いやすいラインナップ。
たくさん入荷していますので、まとめ買いのチャンスです。
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今回の催事の撮影にも使われた黒木泰等さんの酒器。この機会にたくさんの方に手に取っていただけたらと思います。人気ですのでお早めにどうぞ。
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なんとも使い勝手のよさそうなマグカップや鉢は、今年の夏にまるかくでの個展を行う小林徹也さんの作品です。
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こちらは平野日奈子さんの作品。やさしい表情のマグカップなど、毎日使いたい器ばかり。
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おなじみコウホ窯さんからは、久しぶりに呉須一色の安南手が入荷。
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貫録を感じつつも、どこか心和ませてくれる織部は、小割哲也さん。
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いぶし銀的風合いのプラチナ釉急須、そしてきりりと美しい猩々緋。山田晶さんの作品。
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田中俊介さんの真鍮と銅のアイテムも揃っています。
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小石原焼の鬼丸豊喜さんからは、ふだん使いにぴったりのカップやソーサーが届いています。
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岩見晋介さんのスリップウェア。まるかくの催事初登場です。

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種田真紀さんの精緻な赤絵細描も手に取ってご覧いただけます。
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もちろん骨董もたくさん揃えました!
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なお、こちらに紹介した商品は2月19日時点のものです。売り切れてしまう場合もございますので、ご了承くださいませ。

「東急プラザ渋谷」は、各階とてもゆったりとした作りで、お買い物しやすいショッピングモールです。おいしいお店もたくさん入っているので、スタッフも毎日の出勤がちょっと楽しみ。渋谷駅の井の頭線改札口から徒歩1分と、とても便利な場所にありますので、お仕事帰りや乗り換えの際にぜひお立ち寄りください。スタッフ一同、心よりお待ちしております。

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posted by marukaku at 17:25| 東京 ☀| Comment(0) | 催事 イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月10日

土本訓寛・久美子×蝶野秀紀展、2/11が最終日です

好評の「土本訓寛・久美子×蝶野秀紀」展、あっという間に終盤です。

初日にお嫁に行った作品も多いのですが、まだまだ魅力的な作品が揃っています。いくつかご紹介しましょう。


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ころんとかわいらしいフォルムの汁椀。熱湯もOKなので、フリーズドライのおすましなどにも使えます。電子レンジと食器乾燥機はNGですが、それ以外は陶磁器と同じ扱いで大丈夫。長時間水に浸しても、油ものを盛っても全く問題ありません。蝶野さんいわく「毎日使うことがお手入れ」だそうです!

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蝶野さんの漆と土本さんの象嵌や魚々子文の相性のよさといったら! 板皿は、もちろんそのままお料理をのせても。


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蓋付きの栃筋目椀。轆轤引きで非常に細かくランダムな筋目を残すのだそうです。


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土本訓寛・久美子さんの飯碗。


家で蓋付きの器を使うことは多くないかもしれませんが、ちょっとがんばってお料理するときなどにはおすすめ。大人のひな祭りなどいかがでしょう。和食はもちろんですが、アジアンハーブたっぷりのエスニックごはん、というのもよいかも。食卓で蓋を開けた瞬間、「わあ!」という笑顔があふれるはず。汁椀はポタージュにも似合いそうです。


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土本さんの三島手茶器、持ち手が丸くなって可愛さ倍増。

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お客様から「かわいい!」と声が上がる、コンポートドーム。木材はミズメ、大・中・小と揃っています。


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複数枚揃えておくと、何にでも使えそうな筋目の小皿。


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まだ枚数が揃っています。


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蝶野さんのコンポート皿の上に、土本さんの魚々子文の湯のみ。この小さな湯呑みは、お客様にお料理を出す前一口のお茶や食前酒、あるいは料理店のようにおだしを一口、などという使い方もできそうです。

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何も言うことなし!の、美しい仕上がり。まだ店頭に残っているのが不思議なほどです。お早めにどうぞ。


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土本さんにいただいた福井の抹茶菓子を魚々子文の小皿に。栃灰緑のトレーとの相性もよし。


駆け足でのご紹介となりましたが、明日もよい天気、気温も若干上がりそうです。ぜひお立ち寄りください。

最終日の2月11日(火)は、17時閉店となります。


なお、ブログやInstagramで紹介した個展作品は、明日2月10日17時までにお電話をいただければ、作品を郵送でお送りすることも可能です。





posted by marukaku at 14:48| 東京 ☀| Comment(0) | 展覧会風景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月02日

土本訓寛・久美子×蝶野秀紀展が始まりました(2/1スタート)

待望の土本訓寛さんと久美子さん、そしてまるかく初登場の蝶野秀紀さんの作品展がスタートしました。昨日と今日は作家さんの在廊日。お天気にもめぐまれ、とてもにぎやかなまるかくです。

土本さんと蝶野さんの作品はお互いを引き立てあうような相性のよさ。まずはざっくりと店内の様子をご紹介しましょう。


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土本訓寛・久美子 × 蝶野秀紀 展
2020年2月1日(土)〜2/11(火) ※水曜定休
※作家在廊日 2月1日、2日
※最終日2/11は17時閉店となります。
posted by marukaku at 15:03| 東京 ☀| Comment(0) | 展覧会風景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月31日

2020年展覧会予定

2020年の作品展・催事情報をお知らせします。

【作品展】
2月1日〜11日  土本訓寛・久美子×蝶野秀紀 作品展  
5月14日〜24日  斗澤誠×三浦侑子 二人展
7月       小林徹也 個展
10月       黒木泰等 個展

【催事】
2020/2/18〜3/16
東急プラザ渋谷3階
イベントスペース111

※日時の変更、在廊などの最新情報は、Instagramでお知らせいたします。
posted by marukaku at 11:08| 東京 ☀| Comment(0) | 2020年作品展&催事予定 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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